je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

今年見た芝居ベスト5~ロビンも励むが個人的なランキング

今年見た芝居は、劇場に行って見たのが24本。NTLなど映像または配信で見たのが5本。計29本

今年はできるだけ見る、というのを目標にしており、50本くらいいけないかなと思いましたが、まあ無理でした。金銭的にもですが、体力的に。集中力はまだあり眠くなったりもしないのですが、筋力つけないとな~というのが最終的な感想。

さて、なかなか充実した観劇ライフで、順位をつけるのは難しい。のでベスト5までにしました。あくまで個人的なランキングです。そうです私の感想ですけどSo What!?

1位『ガラスの動物園

順位つけるの難しいといいつつ、圧倒的一位。演出、美術、なにもかもが素晴らしく。なんといってもイザベル・ユペールの圧倒的な存在感生身の感情の表現すべての言葉しっぽ巻いて逃げ出すほどの(リアル!)。と個人的に好きな歌の歌詞が意味なく飛び出るくらい、生半可な感想なぞ出てこないくらい絶句絶句絶句でした。Manifique!

(感想はこちら→ 愛だけが恋の儚さを癒す〜『ガラスの動物園』新国立劇場中劇場 - je suis dans la vie )

2位『私の一ケ月』

行く予定ではなかった芝居だったのに、しかしなんだかんだ理由つけて見に行ったら全部心を持っていかれた。芝居はフィクションだけど、つくりものだけど、その中に込められたまごころは本当であってほしい。すべての演劇人が真摯であってほしい、それが信じられる芝居でした。 

(感想はこちら→微に入り細を穿つプロダクション~『私の一ヶ月』@新国立劇場小劇場 - je suis dans la vie )

3位『母と娘の物語(ハイル・ターイハ)』

2位の作品にも言えるのだが、言葉や文化が違っても、国境を超えるものはある。それはなんだろうと感じさせた作品。海外の翻訳作品を日本語で、日本でやるということ。またその逆もしかり。ドメスティックな中にグローバルを感じる。

(感想はこちら→同じ空の下に生きる人の物語~『母と娘の物語』テラ・アーツ・ファクトリー@プロトシアター - je suis dans la vie )

4位『サイプラス・アヴェニュー』

戯曲のもつパワーに強く強く引き寄せられ、離れがたい魅力を感じた一作。リーディングでこれだけ素晴らしいと、じっくり芝居に作りこんだらどうなるのか?日本で受け入れられるのか?ぜひ見てみたいし、今から演出、キャスト、美術、すべて楽しみ。

(感想はこちら→アイデンティティの喪失が生み出す悲劇〜『サイプラス・アヴェニュー』上野ストアハウス - je suis dans la vie

5位『ラビット・ホール

ちゃんとブログに感想書いてないのだけど、木野花さんが素晴らしくてですねえ。小島聖さんの肉体的な魔力と、占部房子さんの声と眼力。今でもシーンが瞼の裏に焼き付いて。美術もよかった。上演台本は翻訳とどのくらい違ったのかな、というのが少し気になり。

同率5位『リチャード二世(G.Garage///)』

今年はあまりシェイクスピアを舞台で見てないのですが、ここのは安定してて外れなし。松岡和子先生の訳を忠実に、解釈も突拍子はなく、しかし独自の演出で魅せる。読み込み、理解、観客への見せ方、バランスがよく。今後も見続けたい。

(感想はこちら→王冠(きみ)がいた夏は遠い夢の中~G.Garage///第4回公演『リチャード二世』ウエストエンドスタジオ - je suis dans la vie )

番外編『プライマ・フェイシィ』(ナショナル・シアター・ライブ)

映像なので番外編。ですが、これはまさに今見るべき作品。そして演劇という形を取っているのだから、すべての演劇人が膝を正して見るべきでは。もちろん観客側も。あなたも3人の中の一人になりうるのだと。被害者か加害者か?どちらに?女性の観客が多かったのもとても印象的で、映画館で日本の変化を見た気がしました。

 

さて順位をつけてみると見えてくるものが。翻訳劇がほとんど。1位については英語戯曲をフランス語でフランス人が演じていたし。全体的な観劇も翻訳劇がほとんどで、好みもありますが。しかし2位の作品で気づいたのは、「ドメスティックなものこそグローバル」というシンプルなことでした。

これ以外の作品も本当に素晴らしく、森新太郎的夫婦善哉冬のライオン』とか、『ピローマン』の円の演出はもう一度見たいし、若手の劇団の戯曲も明らかに世代の変化、社会の変化を感じ取れたし、モリエール再発見の年だったし。

来年はまたシェイクスピア関連メインで見ていきたいなーと思っています、といいながら脱線上等。