je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「インセプション」@新宿ピカデリー

レオ様の映画って久しぶりかも。
タイタニック」でその人気を不動にしたレオ様ですが、私はそれ以前の「ギルバート・グレイプ」「太陽と月に背いて」「ロミオ+ジュリエット」の頃の、あどけない少年ぽさが好きだったので、段々見なくなってしまったのよね…。彼の作品選びは良いので、彼目当てではなく、作品に惹かれて見ることが多かった。
今回も作品よかった。でも、レオ様もいつのまにか、いい歳の取り方をして、皺や首周りの贅肉なんかも魅力にしたいい顔になっていた。オープニングで波打ち際で気を失っている姿に、かすかにあどけないあの頃の無防備さがあったので、そこにも相変わらずキュン。やっぱいつまでも王子〜!
レオ様演ずるコブは、人の夢の中に入りアイディアを盗む産業スパイ。予告では「アイディアを盗む」というのをメインに打ち出していたけれど、inceptionは劇中で「植えつける」という訳にしており、コブとその仲間たちは渡辺謙演ずるサイトーの依頼で、ある人物に「ある考えを植えつける」という困難な仕事に携わる、というのが主なあらすじ。
そもそも、人の夢の中に入る、というSFな状況に頭を切り替えていかないと、映画についていけない。なんでそんなことができるのか、時代はいつなのか、夢に入る具体的な方法など詳しくは語られない。
しかも、夢は何層にも分かれて、いつのまにか1層から2層へ入ったり、またそこから脱する「キック」やら、夢の底の「虚無に落ちる」など、さまざまな状況が大して説明もなしに展開していくので、あれ?今どこにいるんだ〜?とちょっと迷う。その辺は映像でかなり補完できる、というか映像がこの作品はすべてだ。映画にしかできないことはこういうことだと思わされる。
クリストファー・ノーラン監督は「メメント」しか見てないんだけど、あ〜なるほどねと思う。あれも映像ならでは。
今作、できるだけCGは使わなかったらしく、役者が相当酷使されたらしい。謙さんの奥様が撮影場所に行ったら、謙さんがぐるぐる巻きにされて長時間放置されていたのでびっくりしたらしい。というエピソードを思い出しながら見ていたら、確かにこれCGじゃないとするときっついわーと思うシーン多々あり。
ほとんどが夢に入ってその中で動くシーンがメインなのだけど、そこにからめて、コブの妻に関する秘密が徐々にあばかれていく。その辺の描き方も、つけたしや色付け程度でなく、きっちり本編にからめており、構成も相当なもの。
そして、複雑な夫婦の関係を、レオ様がこれまた情感豊かに演じていた。「レボリューショナリー・ロード」の時もだけど、何故にレオ様はこういう複雑な夫婦関係のものが多いのか。そして結婚してないのに、これほどリアルに演じられるのかしらん。不思議だ。
謙さんは以前より英語がうまくなってたな〜。正直、最初の頃は聞きとれないし、この発音でこの人は海外でやっていけるのだろうかと思ったものでしたが(余計なお世話)、かなり勉強した感じ。「映画館で人に聞いてもらう」ということを念頭においた喋り方になっていた。以前聞いたのは、ハリウッドはアジア人俳優にネイティブの発音よりも、アジア人ぽさを求めているので、多少発音がきれいでなくても聞きとれることがいいんだそうなので、彼のルックスとともに需要は今後も多いでしょうな。
もちろん、英語だけでなく、存在感もなかなかでした。いかにもニホンジーンなお供え的な扱い方でなく、レオ様とのからみも対等だったし、準主役の役どころを堂々と演じていた。
レオ様、謙さんも良かったんだけど、コブの相棒アーサー役のジョゼフ・ゴードン=レヴィットがかわいかった〜。ちょっとエドワード・ノートンに似てるんだよね〜。おでこが広めで、笑顔がキュート、そして細身。アリアドネ役のエレン・ペイジとの可愛らしいキスシーン(まったく本編に関係ないシーン)にキュンキュンしてたら、終わった後MIOさんにバレてた…。私の好みって分かりやすいかね。
頭をすごーく使う映画なので、気合い入れて見るのがおすすめ。でもSFは苦手、っていう人にも、情感あるレオ様をぜひ見て欲しい。