je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

絵本工房vol.2 『あこがれ』

井上真鳳さんの一人芝居。井上さんのお芝居も、何度か見ていくうちに、その世界観の広さ、深さにいろいろ感銘を受けます。なんだか優しい、ほんわかした気持ちになるのです。
お話は、ロボットの探偵がある人間の「観察」依頼を受ける。実は依頼主と観察される人間は同じ人物。余命幾ばくもない彼(彼女?)は、永遠に生き続けるロボットに、自分の姿を覚えていて欲しいと観察を依頼した。
見る側と見られる側。男と女。死なないロボットと、いつかは息絶える人間。その微妙な演じ分けが、なかなか面白かったです。井上さんは目ヂカラがあって、ぐわっと引きつけられるのですが、今回は特にその魅力を存分に使っていたように思います。ロボットの時の、純粋無垢な、けれど感情のないあどけない瞳。人間の時の哀しみ、女形としての色気、愛情ある深い眼差し。マイムの所作も楽しみのひとつですが、今回は目の動きに心奪われました。ロボットの最後に狂気に向かう時の変化も、井上さんの幅広さを感じました。
いつも音楽も、衣装も、セットも、丁寧に手が入れられていて、出演者、スタッフの方々の思いが伝わりました。