je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「深呼吸の必要」@シネ・リーブル池袋

大森南朋という役者が好きだ。あらためてそう思った。
さらりとした手触りの中に、きちんと作りこんでいる、そういう手ごたえを二度目の鑑賞にして感じた。なんて、よく考えたら篠原哲雄監督じゃん。うまいのは当たり前か。
やっぱ大森君、うまくなったような気がするんですけど〜(贔屓目かしら?)。大森君演じるところの田所は意地悪キャラなんだけど、実は皆が休みの日におじいとキビ刈りに行ってる。収穫に一番不安を抱いていたのは経験者の田所だけ、って思いながら見ると田所の立ち位置は違って見える。偉そうにしてるのも、確かに鼻につくけどそれなりの理由があったんだ、とか今更ながらに気が付いてみたりして。
しかし、大森君とナリの役はB型の設定なんだが、B型の行動パターンがはっきり出ていてイヤ〜。おじいとキビ刈りに行くのもそうだけど、車を出した帰りに事故に合ったのも、大雨の日に本土からの皆の注文したものを取りに行くために起きたこと。「いい人」になる要素もあるのに。あ〜もっといいとこアピールしなよ!って思うけど、できない、それがB型(そうじゃないB型の人すいません。あくまで一般論)。ナリの役も皆が飲みに行ってるのに一人でフテ寝してたり、「平に良しでタイラって読むんだよ?」とか優しくない言い方、寂しいくせにつっかかる。田所に輸血したのも偉そうにしないでブスったれたまんま。損なキャラなんですけど、共感してしまうのはそりゃー私がB型だからですよ〜だ。ところで田所が大怪我の状態で「献血マニアなんで・・・」ってつぶやいてるのは笑った。
ヴァイブレータ」の大森君も好きなんだけど、こういう「普通の人」をやると俄然力量が出るタイプなんかな?「殺し屋1」の時のようなきらめきは中々お目にかかれないかなと思うけど、この作品は私にとって大森君を堪能できる一作になったかも。
二作を通じて思うのは、大森君は太陽ではない。でも夜道をひっそり照らす月の光。白く強く、時折かたちを変えて、誰かの心に寄り添ってくれる。太陽になる役者はたくさんいるけど、月になってくれるのはそういない。