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Lang Lang ピアノコンサート@広州国際体育演芸中心

中国で最も有名なピアニストのランランのコンサートに行ってきました。

旦那ちゃんが7時近くにやっと帰ってきて、ちょっとおうちでご飯して、すぐに車で会場へ。

昨年のアジア大会の時にできた会場なので、新しくきれい。アジア大会の時はバスケとかやってたとこみたいです。

8時開演なので、ギリギリについたのだけど、さすが中国、席は半分もまだ埋まっておりませんでした。始まる気配もなし。かと思うと、8時半くらいになって中国語でせかすようなアナウンスがしばしあって、あっという間に開演。
しかし始まったからといって静まりかえったり、おとなしくなるなんてことはもちろんありません。ザワザワずーっとしてるし、なんか皆食べてるし。何故かミカンの香りがずっとしてたし。
でも、クラシックコンサートだからか、途中で席を立ったり、携帯で話したりということはなかったので、ましかな〜。でも、ましって言っても、日本だったらありえないザワザワ感なんだけど。
そんな決して良い環境とは思えない中でも、ランランの演奏は素晴らしかったです。ほんと行ってよかった。
彼は「現代のリスト」と呼ばれる(もしかしたら中国で勝手に言ってるだけかもしれないけど)ほど、リストの演奏は本当に良かった。「ため息」の演奏の時は、かなりうるっときました。技巧的な面でももちろん素晴らしいのだけど、表現力がほんとに豊か。ピアノについてはなんも知らない私でも、なんていうか、「もってかれる」感じがすごくある。彼の世界にぐっと引き寄せられるというか。
本人はショパンが好きなのか、ショパンの曲の演奏の時の方が思い入れたっぷりに弾いてましたが、私はやっぱりリストの曲の方が彼はあってるなーと思いました。

席は離れてたんだけど、スクリーンで大写しになった時の指のなんと美しかったこと。この人って、ほんとピアノを弾くために生まれてきたのかなあっていう、長くて綺麗な指。
ピアノ演奏だけだと間がもたないのか、オーケストラだけの演奏や、ゲストのイタリア人のジョルジア・フマンティというおねーさんの歌とかありましたが、はっきり言っていらね。オーケストラは下手でないけど上手くもなく。ランランは世界のもっとすごいオーケストラとも共演してるだろうし、一緒に演奏する意味はあんまりないかと。イタリア人のおねーさんは、ランランと仲良しっぽかったんだけど、誰…と思って調べたらまあまあ有名みたいですね。この人もまあ別に下手とかではないんだけど、ランランのコンサートにいるのかなあ?っていう。

あと、何故か司会がおります。ほとんど中国語でしたが、たまーに英語もはさむ感じ。

今回、観客席に子供が多くてなんでかな〜、と思ったら、ランランが中国各地で演奏をする度にオーディションして、その中の何人かとコンサート最後に共演するというのがあって、それで多かったらしい。
今回も最後は100人の子供たちとシューベルトの「軍隊行進曲」を演奏。舞台後方の幕が開くと、たくさんのピアノと子供たち登場〜。

中国はいっときの日本のように、子供に情操教育を受けさせるブームみたいになっているらしく、お客さんはどうやらそういった教育ママ&パパが多かったようです。私の隣の席のお母さんは興味ないのか、ずっと寝てたし。子供の方がわりとおとなしく聞いてたかな。
惜しむらくは、ランランの思想的な面が大きく出てて、中国国内での演奏ということもあってか、ちゅーごくバンザーイみたいな雰囲気で進み、何故か最後はランランンの演奏でみんなで中国の歌を歌いましょー!みたいなことになり。あー、もったいない!彼のピアノはそんなもののためにあるのではないのに!例えればあれですよ、矢野顕子のピアノで学校の校歌を歌うくらいもったいないことですよ(それはそれで面白そうだが)。
この国に何が足りないって、「美意識」以外のなにもののでもない、としみじみ感じましたよ。
今度はそういう雰囲気のない、彼のピアノだけを純粋に楽しめるとこで聞きたいな〜。とも思いましたが、ほんとにあらゆるマイナス点をふっ飛ばすくらい、見に行って良かったコンサートでした。