je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

上原ひろみトリオライブ@広州星海音楽庁

水曜日にたまたまお友達に、上原ひろみのライブあるよ、と聞き、木曜日に中信4階のチケットセンターに行ったらまだあったので、急きょ行くことに。
『爵士无双・上原广美・爵士三重奏音乐会』

夜8時からなので、ごはんを済ませて会場へ。会場は広州ではわりときちんとした音楽専門の会場「星海音楽庁」。音もわりといいと聞いてるので、以前から行きたいなと思ってた場所。
日本人が多いかと思いきや、意外と中国人多し。しかもみなさんきちんとした格好の人が多い。若い子も多く、オシャレ系長髪男子な子や、金持ち香港人風メガネインテリ男子など、こんな人広州にどこにいたんじゃという。女の子もドレスアップしてる子も多く、何故かシャネルのバッグを持っている女性が多かった。猫も杓子もヴィトンな中国では珍しいかも。偽物の可能性もなくはないが、やはり金持ちの多い広東なんですかね。
と、客ウオッチングをしていたのは、広州の観客のマナーの悪さをしみじみ知っているからなのです。星海音楽庁はわりと品のある会場なんだけれども、演奏中でも携帯メール、写真は当たり前、電話かかって来るだけでなく、平気で話しだす、しまいにゃ自分から電話かける、堂々と途中で退席、うるさいことこの上ない…。覚悟して行きましたが、この夜はほんと品の良い客ばかりでした。
それもこれも上原ひろみちゃんの圧倒的なパフォーマンスのおかげでしょうか。
もしくはジャズという限られたジャンルでの聴衆だけが集まった結果なのか。
曲はニューアルバムの「VOICE」からのものがメインで、1時間ほどトリオで演奏した後、ソロで一曲、そののちまたトリオで数曲。アンコール1曲。
ベースとドラムも聞きごたえあり。ベースのAnthony Jacksonは、上原さんのピアノの音の方向をしきりに見ており、自身や全体のグルーブより、ピアノを引き立たせるような引きのプレイ。かといって「合わせる」「のせる」という安逸な音ではなく、そこにがっしり存在する。ドラムのSteve Smithは押し引きのあるプレイで、自身の見せ場もしっかり。しかし上原さんとの息の合いようは絶妙で、ソロパートも嫌みない。
上原さんは初見でしたが、うわさ通りのすごい速弾き、独特のグルーヴとリズム。ジャズというジャンルだけでは括れない音楽性。あっという間の2時間弱。
「Voice」、「Flash back」のようなタイトでスリリングな曲もすごく格好良かったけど、ソロの時や、明るい曲の時の楽しそうな顔がほんとかわいかった!
楽しい!っていう気持ちがこっちにも伝わって、むちゃくちゃ楽しい気持ちに。
この顔、ギャル曽根ちゃんが食べてる時の幸せそうな顔に超似てるわー。と思ってたら旦那ちゃんも同じことを後で言っていた。
かわいらしい黒のドレスにスニーカー。スニーカーは旦那さまのデザインでしょうか。アニマル柄?っぽくかわいい。
ところで、中国で日本人アーティストがちゃんとアクトするというのは、よほどネームバリューがありかつ人気があるか、もしくは中国に特化している・迎合しているかでないと難しいのでは、というのは言いすぎかもしれませんが、あながち間違いではないと思うのですよ。いいアクトをしたって、見てる側にどれだけ理解力や感性があるか…。この広州という文化的にまだまだ発展途上のような地で、これだけすごいパフォーマンスをしてしまう彼女のポテンシャル、モチベーションにほんと頭が下がるし、演奏だけでなくそこも素晴らしい。
ほんと上原さん、来てくれてありがとう〜。美味しいもの食べて帰ってくださいね〜。

  • 追記

帰ってからiTunesで「VOICE」買って聞いてて、ライブと印象違うなあ、と思ってたら、ライブとCDはドラムが違う。CDの方はTOTOのSimon Philippsだった。上原さんの2011年のツアーの時は参加していたよう。今回のライブ参加のSteve Smithもジャーニーに参加してたり、ロック畑も経験ありのジャズ・フュージョン系のドラマー。上原さんにはガチガチのジャズドラマーより、こういうドラマーの方が合ってるのかも。