je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

ちゃぶ台があればひっくり返したい

久々にちゃぶ台をひっくり返したい出来事が。
うちのクラスの、困ったちゃんことスナちゃん。相変わらずうるさいし、隣の席になった人は大変だったんだけど、何気に他人事でした。
しかし、彼女が私の斜め後ろの席、その隣がパナマ人のホセだった日の事。
ホセはいい子なんだけど、あんまり勉強しないので、授業にはよく来るが友達に会いに来てるという風情の男の子。下手すると、スナちゃんよりできない。
そんな2人が隣同士になったらどうなるか。
スナちゃんの「あれ何?これ何?どういう意味?」攻撃に一切ホセは答えられないわけです。そうすると、延々と答えの出ない会話が私の後ろで繰り広げられる。だんだん、2人とも違う話をしだして、くっちゃべりだし。ホセはぼそぼそしゃべるので、気にならないのだけど、スナちゃんは声が大きい。
まあ、私もただの授業だったら仕方ないなー、と思うんだけど、その日は「リスニング」の授業がありまして。私はとにかく、聞き取りが苦手なのでわざわざスピーカーのどまん前の席を、その授業のためだけに、朝早く来てキープしてるのに、それが信じられないほどに聞こえない。私の隣のリリアンは、もうあきれ顔で、授業を受けるのをあきらめておりました。スナから少し離れた席の子でさえ、音声が聞こえないので居眠りを始める始末。
私もね、あきらめりゃ良かったんですよ。
でも、2時間弱の授業を放棄するということは、教科書の1課分が無駄になる。何より、エスカレートしてさらに大きい声になったスナに耐えられず、後ろを向いて、
「申し訳ないんだけど、音声のテープが流れている間は、小さい声で話してもらえない?」
とかなり丁寧にお願いしました。ええ、Would you〜、とか、Pleaseとか、使いましたよ。Shut up!なんて一切言っておりません。
しかし、瞬間、スナの目が般若のようにカッと変り、私の方には返事せず、自分の後ろの席の子に向かって、
「聞いた?黙れだって!私は友達と話してただけなのに〜。She is Crazy!」
とのたまったのですよ…。
あー、言った私がばかだった〜。そうです、相手を見てものを言いましょう。何年たっても学習しない、アホな私です。前のクラスから長い付き合いのエミリーやリリアンが諦めているのだから、そんなこと言っても無駄だと気づいとけよ、と後悔しまくりました。
とはいえ、頭にきます。ちゃぶ台があれば、ひっくり返していたね!でも、ちゃぶ台はないし、大人なので、そして高い教養を持つ国の人間としてそこはぐぐっと我慢しました。
(まあ、実は、授業が終わった後に「さっきは、あなたを責めたわけじゃない。私はちゃんと授業を受けたかったの。それから私はCrazyではないので、そういうことは言わないでほしい」とこれまた、かなり丁寧にお願いはしましたが、シカトされました。)
しかし、怒りとむなしさは残るわけです。生まれて初めて、「Crazy」という言葉を、その言葉のままに投げかけられたわけですから。しかも今まで散々ノートを貸し、分らないところがあれば教え、先生に怒られた後に慰めたりして、なにげに気を使っていたのにこの仕打ち。
そんな思いを整理するために、とりあえず誰かに愚痴ろう!(←なんだその解決策)と、誰に愚痴るかを考え、次の日私がとっつかまえたのはフランス人のアレクシス。
こういう大人げない、そして下手すると国際問題になりかねない(そこまで!?)話題をいかに、ただの愚痴に還元するか。アジア系(インドネシア、タイなど)は、割と気の優しい人が多いし、単なる悪口(実際そうだけど)を聞かせて、悩ませてしまったら申し訳ないし。かといって、もっとマイナーな国の人に話しても、なんのことか分らないだろうし。
ということで、フランス人。
案の定、いい具合に食いついてくれました、アレクシス。さすが多民族国家。自国の中東の人への不満がつらつらと、しまいには他の国への不満もバンバン話し出し、期待以上の反応(彼はかなり偏見が大きいけどね)。そんな素敵なグローバルトーク(実際は単なる悪口)することにより、しまいには「そーだよねー。フランスと日本はサイコーだよね!」と、最後はお互いをほめたたえ(アホや…)、前日のスナの罵詈雑言で傷ついた私の心はすっきりいたしました。
フランス人もだけど、イタリア人とかラテン系は、さすがに歴史が長いので、こういう話にサラ〜っとついてきてくれるんだよねー。その場の話にしてくれるし、議論好きだから会話そのものを楽しむ方向に持っていくし、ねちっこい噂話にしたりはしないし。これがアメリカ人とかだと、真剣に人種差別に結びついてしまうので危険ですが。さすが「差別じゃない、区別よ!」と言い切る国です。ま、それだけに、本気で敵に回したら、口も達者だが、底力も強いので、恐ろしいけども。
そうそう、その後、スナがどうしたかといいますと。私の意志をくんでくれたのか、逆ギレしてるのか(多分後者)、離れた席に座ってくださるようになりました。おかげさまで、私の近辺の席は私を含めて、みな笑顔が戻ったという…。スナはスナで、違う人にひっついて、質問攻め、ノート貸せ攻めを相変わらず繰り広げて、たくましい限りです。被害者が変わっただけで、何も変わってないのですが。今日は、先生に「●●へ行くにはどうしたらいいのかしら〜?」と、先生を上から目線でガイド扱いし、またもや苦笑させておりましたので、彼女が変わる日は永遠に来ないでしょう…。アデュー、スナ。