je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

かわいい困ったちゃん

うちのクラスの困ったちゃんは、もちろん相変わらず、中東出身のスナちゃんです。
スナちゃんの困ったぶりは相変わらずで、今日もまた隣の席のパナマの男の子を辟易させておりました。彼は華僑で、結構できる子だから、最初は答えてあげてたんだけど、あまりにウザいからか途中で寝たふり。しかし、それでもかまわず質問するスナちゃんに呆れて、次の時間の授業から席を変えてしまった…。インドネシアのウイディアがかわいそうに思ったのか、スナちゃんの隣に来てあげてたけど。
ウイディアはほんとに優しいというか、さりげなく皆に優しくできる。顔もかわいいが、性格もいい。私が男なら嫁にもらいたい(結構本気)。
まあ、ウイディアは特例で、ほんとスナちゃんの質問攻撃(口撃)はすさまじいものがあるのです。
今日は先生が「長城(万里の長城)」の画像をスクリーンに映してたんだけど、スナちゃんは「長城ってナニ???」と皆に質問しまくってました。聞かれた人は「中国の有名な場所だよ」って教えてあげてたけど、彼女は別の答えを求めてたらしく、しつこく3分くらい、自分の席の周りの人に聞いていた。うーん、どういう場所か?っていうのを聞きたかったのかな?でも、画像見て分らないんだと、もう説明しようがないんだよね。旅行ガイドじゃないわけで。
まだ10代ならいざしらず、24歳でいい大人で、しかも学生ビザ必要ない奥様だったら、他人の勉強を邪魔してまでそうする必要がどこにあるのか、かなり不明なのですよ。他の子は、成績悪かったりしたり、出席が足りなくなったりしたら、学生ビザが取れなくなって、退学になって強制帰国ということも最悪あるので、やっぱり大変だと思うし。まあ、留学生は、そういう枷があるから勉強してるわけですけども。スナちゃんはいまいちそこを分ってないのか…。
でも、勉強はしてるんだよね。先生によく聞きに行ってるし。ただ、おそらく予習復習をしないので、人に聞いてもその時は分ったようでも後で忘れてしまうんだと思う。漢字もよく覚えてるんだけど、練習したりしないので、間違って覚えてたり、書き順がひどくて読めないし。
書き順といえば、今日は読み書きのクラスがあって、スナちゃんが黒板に立って漢字を書いたんだけど、これがすごかった。
たとえば、「ウ冠」の漢字があるとしますね。それをウ冠の中から書くんです。しかも下から上、右から左。できあがりは、ほとんど象形文字
みんなスナちゃんのすごい書き順は知ってるので、もう驚かなかったんだけど、読み書きの先生は初めて見たらしく相当衝撃だったのか、みんなの前で「あなたの書き順は間違っている!」と言って、5分ほど彼女に漢字のイロハを教えてました。
スナちゃんは下のクラスにいた時に、散々漢字をやっていたので、書き順の規則は知ってるんです。でも、彼女の母国語の文字がどうやら、漢字とは逆の書き順らしく、どうしてもそうなってしまうらしい。さすがに落ち込んでいたので、私とリリアンで「気にしちゃダメ」「急がないでゆっくり書けば、そのうち慣れるよ」、「日本人にだってたくさん知らない漢字があるんだよ」、と慰めてあげました(珍しく)。
リリアンはスナちゃんとそんなに年が離れてないのに、結構大人で、先日は
「スナがなんで最近おとなしいか知ってる?多分、スナがつまらない質問をすると皆が笑うからだよ」
と心配してました。うわ、切ない…。
でも、リリアンは、やはりスナの勉強の仕方に疑問は持っているらしく、スナが必要以上に聞いてくると「知らない」とほどよく距離を置いている。
リリアンはスナちゃんに対してだけでなく、他の人に対しても、優しい中にきっぱりしたラインがあるよう。
今日はエミリーが、宿題に出された練習問題を持ってきて、リリアンの答えをまる写ししようととしたら、
「それは意味がない。それに私はこれを、自分で一生懸命勉強して考えたんだから、写しちゃダメ!」
ときっぱり断っておりました。
多分、人に教えるほどにできるわけではないけど、頑張ってやった問題を簡単に写されたくないし、なによりもそれはエミリーのためにならないし、ということらしい。(これがもしスナちゃんだったら、それが間違ってたら「間違ってたじゃな〜い!」などと文句いうわけで。)
そんなリリアンと隣の席同士なのは、私にとってはなかなかラッキー。お互いに分らないところ(リリアンは漢字、私は聞き取りが苦手)を教え合ったり、宿題や練習問題の答え合わせをしたり。でも、基本、自分でやってくるようにしてるので、授業中に必要以上に邪魔しないスタンス。
スナちゃんにも、いいパートナーがいるといいんだけどなあ。
とはいえ、スナちゃんは毎日学校来て、割と明るくしてるんで、実はそんなに問題ないんです。授業中以外はみんなとも話してるし。
それよりも、あんまり友達がいなかったり、おとなしかったりして、だんだん授業に来なくなってきた子がチラホラ…。おねーさん、もといおばちゃんは心配です。とかいって、自分の心配せなーとも思うんですけど。