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歌舞伎座さよなら公演・お名残り三月歌舞伎(第三部)

歌舞伎座建て替えで、行かなくちゃ〜と思ってたのですが、なんやかやと忙しくどうしようどうしようと思って三月になってしまった…。さすがにチケット取りづらく、今回は母の知り合いに頼んで取ってもらいました。1階の6列目真正面〜。いいお席です。小学生高学年までは、築地に住んでいたので、歌舞伎座は保育園、学校の帰り道〜くらいの感じの近さでした。ほんとまじで通ってて、小さい頃はここはなんだろうな〜と思ってた。どっかのお店のディスプレイにいつも般若の面が飾ってあって、怖いのでそこを通る時は目をつぶって歩いていたっけ。でも、歌舞伎はあまり見に行くことはなく、学校のイベントで見に行ったのと、大人になってからは新春浅草歌舞伎見に行ったくらい。う〜ん、今になってなのか、それと見に行ける年になったということなのか…。
演目はまずは菅原伝授手習鑑「道明寺」。十三代目・仁左衛門十七回忌&十四代目・守田勘弥三十七回忌追善狂言とあって、かなり渋い!内容。玉三郎演じる老女・覚寿の館に大宰府流罪になる船出の前に立ち寄った菅丞相こと菅原道真。まー、この玉三郎の老女が色っぽいこと。白髪の鬘で老いメイク、そして腰は曲がってるんだけど、腰つきが色っぽいの。若い時は男を何人泣かせたんだ!っていうような色香がまだ残ってる感じが。足さばきもきれーだし。あー、玉三郎のお姫様見たかったけど、これはこれでなかなか見れないので、凄かった。
菅丞相は仁左衛門ですが、ほとんど座ってるのに遠目でもいい男だった〜。目の保養…。
菅丞相を殺そうと狙う婿の太郎とその父親が、たくらみを聞いてしまった覚寿の娘で太郎の妻の立田を殺して水に沈めてしまう…というのが大きな事件の発端。
この太郎役の彌十郎が赤鬼的メイクで、憎たらしいけどおもしろくて。ひどい男なんだけど、小悪党のアホっぽさがいい感じで出てて、目が離せませんでした。
覚寿に太郎が刺されるシーンがクライマックスで長いんだけど、ずっと刀で玉三郎にグリグリされてるわけです。んで刺されたまま縁の下に置かれて、他の話が続いてる間も放置。刀ささってる間は死んでないので、他のエピソード終わったあたりで、思い出したように刀を抜かれて絶命というひどい仕打ち。もう、縁の下にいる間中気になって気になって!早くとどめ刺してあげなよ〜とハラハラしてしまった。そもそも刀刺す時も、立田殺しの濡れ衣着せられた奴宅内(錦之助)を切るようにと覚寿に太郎が指南してるんだけど、「痛くないようにスパーっと切れよ〜」って言ってたのに、太郎の悪事を見抜いた覚寿に逆の痛い方法で刺されちゃうし。わあ、覚寿ひどい〜と思ってたら、太郎が死んだ後のセリフが「悪人とはいえ無残な死にかた…」って言ってて、「つーかあんたが無残にしたんじゃん、をい!」ってつっこみました(心の中で)。
他にも「ええ〜」って思うセリフが多くておもしろかった。今回、イヤホンガイドを使用したのですが、「この人は青い爽やかな衣装でしょ〜。だからいい人なんですよ!」とか言いきってて、すごく納得するんだけど、そんなんでいいのかともちょっと思ったり。イヤホンガイドも面白くて、飽きませんでした。
ほんとはこの演目は、娘を亡くした覚寿と、菅丞相と養女の苅屋姫の別れという親子の愛がテーマなんですけど、それはそれでぐっときたんですけど、覚寿の非道っぷりと太郎の可哀そうな死にかたが私的ツボでした。そんな見方でいいのか…。まあいいか楽しかったし。
重い話なんだけど、錦之助さんの道化な感じや、悪役のコミカルな感じがテンポよくて、ほんと楽しめました。楽しく軽く、と重く切なくの切り替えがバシッと決まるのが地味な話ながらも技だねえというなかなかすごい作品。
休憩はお買いもの&おやつ。夕飯は始まる前に「竹葉亭」でうなぎ食べたんだ〜。あー美味しかった…。
二つ目は「石橋」。舞踊劇でした。富十郎さんが長男の鷹之資くんと出てたんだけど、孫っぽい…。でも、息子なんだね…。すごいわ〜、いろんな意味で。
富十郎さんはお年の割に、やはりビシビシとしてて重厚だわ〜と思ってたんですが、途中の出が遅れました。私は演出???と思ってたんだけど、母はすぐに気付いた。年輩のお客さんも苦笑してたので、それはそれでほのぼのしてるなあと。
錦之助さんと松緑さんの踊りは軽快で楽しかった〜。錦之助さんは、最初のコミカルな役だったせいか、なんかイケテツにちょっと似てるかも…と思う。いや、二人ともイケメンだけど、似てるって言われてどうなのか失礼になるかしらどうかしら。
歌舞伎座もあと2カ月切りましたが、次来る時は新しい歌舞伎座かな〜。その前にも歌舞伎は見れたらいいな〜。