je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「ゴールデンスランバー」@渋東シネタワー

雪がちらほら降る渋谷。
そのせいか、初回のせいなのか、館内すいてて、ゆっくりのんびり見られた。
(ネタばれというか内容に触れてますので、未見の方はご注意をば)
おーもりくんが出ているというのもあり見に行ったのですが、端役なのにしょっぱなから出ててびびる。昔からいいパパ役が似合うけど、年齢のせいかさらに板についてきた。最近は鷲津とか生活感のないイメージの役が強いようだけど、こっちはリアルに似合う。ガタイがよくて子供扱いが見た目的にいい感じなのと、サラリーマン姿が似合うからか?実際はどうなのかしらん。
そして、主演は堺雅人さん。もう日に日に小日向さんに似てきた。しかも、この映画、小日向さんが出ていたドラマ「あしたの、喜多善男」になーんか似てるんだよねー。テイストというか、雰囲気が。堺さんと小日向さんは、いっそのことダブルキャストとか、どっちかが都合悪くなったら代役とかでも大丈夫なのでは。まるで双子タレントのように。(双子で思い出したのだが、昔ピーコが病気で仕事できない時、おすぎが全部代役で出てたそうな。でもあの二人って双子だけど、ファッション評論と映画評論なので出てる番組ジャンルが違うのだが、そんなことは誰も気づかなかったらしい。おすぎが「ファッションなんか全然わからなかったけど、なんとかなったわよ!」って言っててなにげに深いい話として覚えている。)
そして堺さんといえば、昔は早稲田のプリンス、そう元祖王子ですよ。微笑みの王子。YONさまよりもこっちが先。
その微笑みも健在でした。その微笑みゆえに、映画の悲惨な状況でも、必死に人を信じているというキャラが合っていた。フツーだったら誰も信じてくれない、首相暗殺についてのでっちあげ証拠が満載、どうみても真っ黒。でも、彼を知っている人は、彼のやっていない!という言葉に「やっぱりね」「お前なわけないよなー」とあっさり信じている。だから彼は逃げ続け、そして希望を失わない。境さんの笑顔あって成り立つ映画かも。
原作は伊坂幸太郎さんですが、伊坂ワールド!な映画でした。前から私言っているのですが、伊坂作品を嫌いじゃないし楽しんでるんですが、どうしても好きになりきれない、相容れないというか。それはなんでかなーと思ってたんだが、これ見てなんか分かった。
伏線がしつこい。
もうさー、最初から分かるわけ。子供が一瞬いなくなるシーンも、絶対後でなんか意味あるんだろうな〜とか。主人公に助けてもらったアイドルも、花火も、車も、花火師の息子も、お父さんの書き初めの話も、全部伏線ですって。iPodにいたっては、出てきた瞬間に絶対何かあると分かって、まさかああいう風には使わないよねー?と思ってたら、その通りに使ってたし。これってベタなのか、私が伊坂作品を読み込んでるのか…?むしろ好きってこと?いやいや。
エンターテイメント、サスペンスとして楽しい作品です。
でも、私はそこじゃなくて、やっぱりビートルズの「ゴールデンスランバー」からくる、主人公や彼をとりまく人々の「郷愁」にじんとした。
不覚にも、マスコミが犯人の実家に取材に来たというシーンで、父親(伊東四郎さん)が言う言葉の一つ一つがどわ〜っと胸にキタ。まぢ泣きしましたよ。
伊東四郎、すごすぎ。むしろラヴ!
そして、大学や学校を卒業して何年か経ち、そのころの友人とも疎遠になり、でもあの頃のモラトリアムな無為だけどなんともPreciousな時間を過ごしたことのある人なら、すべて分かる映画。お互いを思い出すきっかけは、意外と似通っていて、単純なこと。そうだといい。