je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「クリーン」@渋谷シアター・イメージフォーラム

オリヴィエ・アサイヤスの新作、なんだけど2004年の作品なのねー。マギー・チャンがカンヌの主演女優賞取ったのに、なんでこんなに遅かったのだろう。と思いながら見ていたら、ものすごい絶妙なタイミングの公開なのではー。

<あらすじ>
ロックスターとして名を馳せてきたリーと、その妻で歌手として成功することを夢見るエミリー(マギー・チャン)。彼らの間にはジェイという幼い息子がいたが、今はバンクーバーに住むリーの両親に育てられていた。所属するレコード会社の件で激しい口論をしてしまったある日、エミリーはドラッグの過剰摂取によりモーテルで死んでいるリーの姿を発見する。一部の友人とリーの母親は、事故を防げなかったエミリーを責めた。
 6ヶ月後、エミリーはもう一度全てをやりなおそうと、かつて住んでいたことのあるパリへと向かった。「息子を取り戻すためにはなんでもする」。そう決意はしたものの、遠くへ逝ってしまった愛する人の残像、引き裂かれたプライド、捨てきれない歌手の夢…、様々な想いが交錯し、望んだ仕事を得ることも、息子と一緒に暮らすことも出来ずに、彼女はまた、ひとりになってしまった。また大切な人を失うかもしれない、昔の友人たちはもう助けてくれないかもしれない、夢は二度と叶わないかもしれない…。自分の人生を優先させてきた代償がエミリーを容赦なく襲う。
 そんな中、義父のアルブレヒトニック・ノルティ)が息子のジェイを連れてロンドンのホテルに滞在しているという知らせを受けたエミリーは、何とか思いを伝え、たった2日だけ、息子とのデートを楽しむ機会を得る。バイクにまたがり動物園へ向かうエミリーとジェイ。しかし数年ぶりに再会したふたりは、距離が縮まった途端、思いがけず衝突してしまうのだった。「僕はママを愛してないし、愛されてもいないんだ」。
 格好悪くてもいい。絶望から必死に這い上がり、もう一度「ふたり」のためにやりなおしたい…。これは、いつか息子と暮らせる日が来ると信じ続けた母と、幼いながらも母と向き合おうとした息子の、再生の物語。

って、もう「の○P」を思いださずにはいられなかったっすよ。
いえ、そんなことも途中で忘れてしまうくらいいい話なんですけどね。いい話っていうか、別にお涙ちょうだいとか、親子愛的なベタベタ感はそんなになくて、映像のライブ感と、リアルであるが故の美しさ。友人は「パリやロンドンをあんなに汚く映すなんて」と言ってて、確かにガイドブックやTVで見るおしゃれな外国の町並みはそこにはない。でも、マギー・チャンアサイヤス、そしてそこに生活する人たちのまんまが出てて、それが美しい。
アサイヤスは「DEMON LOVER」しか見てないのだけど、あまりにもわけわからん映画だったので記憶にないんだが街と動きのあるの映像だけはいいなーと思ったのを思い出した。
脚本もシンプルで、キャストもがっちりくる人ばかり。ニック・ノルティが懐の深いおじいちゃんを好演しとりました。このおじいちゃんいてよかったよー。ニックが出てくるだけで和みます。
そして、ベアトリス・ダル、久々に見た。年取ってたけど、エロい唇は健在。エロいっていうか、もう気味悪いくらいの存在感(唇が)。役はいい人の役なんだけどね。出てきた瞬間にわあ〜って思う。なんか見た!って満足感が出る役者さん。
マギー・チャンはカッコキレイだあねー。すっぴんでもキレイってすごいよねー。歌もうまいってわけではないのだけど、この中でしか聞けないはまり具合。オノ・ヨーコのようでもありましたが。