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ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

配信観劇その⑥ “Frankenstein (フランケンシュタイン)” (National Theatre home, 2011)

2011年にベネディクト・カンバーバッチジョニー・リー・ミラーフランケンシュタイン博士と怪物の配役を交互に演じた作品。
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日本でもナショナルシアターライブで公開され、シャーロックシリーズでのベネさん人気が盛り上がった頃だったからか話題に。

今回はジョニーさん怪物、ベネさんフランケンシュタイン博士役バージョンを。

確か当時、ベネさんが怪物バージョンを見た気がする。しかし翻訳字幕がひどくて、見るのがつらかった。途中で字幕見るのやめたけど。

話は覚えてた。メアリー・シェリー原作がよく知られているというのもあるが、ダニー・ボイルの分かりやすい演出や、スチームパンクな美術なども印象によく残っていた。映像もナショナルシアターライブの中でもかなり見やすく、立体感のある見せ方。

当時はジョニー・リー・ミラーにあまり印象がなかったのだけれど、その後に彼の出演しているアメリカのシャーロックシリーズ『エレメンタリー』にはまって、ぜひ彼の怪物バージョンをいつか見たいと思っていたのでした。

さてジョニーさんの怪物役。生まれ落ちたときの肉の塊だけの存在は、彼のよく鍛えられた体を生かしている。そこから少しずつ言葉を覚えて、人間の尊厳を育てて「心」を「肉体」に載せていく。そこからさらに、知識を持ち、優しさに触れながらも、相反する劣等感や憎しみも育てていく。そのマイナスの感情の怒と哀の間を、振り子のようにゆり動く感情の表現が見事。

ベネさんは繊細で上品なマッドサイエンティスト。ちょっと天然で可愛らしささえある。しかし怪物とは逆にその心は人間らしさからかけ離れていく。

ラストの2人の鏡のような邂逅が素晴らしい。

ところで、ベネさんもジョニーさんもどちらもTVドラマでシャーロック役を演じてる。見た目や雰囲気は違うが、声がどことなく似ている。ふと見せる愛らしさも。その2人がダブルキャストのダブル主演って今にしてみると面白い企画だな。

そしてあの時は気づかなかったけど007のマネーペニー役のナオミ・ハリスちゃんがかわいらしいヒロイン役。