je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

大地の芸術祭 in 越後妻有アートトリエンナーレ2009(1日目)

今年の夏休みは長い(旦那が)。しかし、不景気のあおりを受けてどこも行かないつもりだったのだけど、やっぱどこか行くか〜となり、急きょ新潟は越後妻有の芸術祭へ行くことに。金沢に旅行した際に21世紀美術館に行ってから、現代アートの良さに目覚めたらしい旦那。奴は私の趣味に理解はあるけど、あまり興味を持つことが少ないので、旅行で一緒に楽しめるのはなかなかにうれしい。
本当は5時半に起きて、6時半には出る予定が、夏休みのぐうたら生活で起きたのは7時。んで出たのは8時半過ぎ。
お盆前だし、高速1000円じゃないし、お昼には着くだろうと思っていたら、先日の地震での高速路肩崩落の影響か、わりと渋滞気味。
で、塩沢石内ICについたのはもう13時近く。

とりあえずめし!っつーことで、津南のおそばやさん「とみざわ」へ。

天ざると細めんのざるを注文。ここのそばは、つなぎに山ゴボウを使っているので、すごくぬるっとしていて食べるのに一苦労。が、もっちもちで食べごたえも味もかなり良し。そして、ここにも小澤征爾のサインが。あのお方はどんだけ麺好きなの?私らが行った地方のおいしいお店には必ずと言っていいほどあるよ。あと、ここには岡本太郎先生のサインも。写真もありました。
スタートが遅くなったので、まずは近くの津南エリアに。行く途中にカラフルなかかしが。どうやらそれも作品だった。(No.127「中里かかしの庭」(クリス・マシューズ)。車を止めるところもないけれど、ドライブしながら楽しめる。
この芸術祭、300点も展示があり、しかもあちこちに点在してて、車でしか行けないようなとこも多い。作品は番号が振ってあり、道路に黄色の表示板があるので、地図とそれをたよりに探すしかない。周りは畑と山なので目印も少ないから、まるで宝探しのよう。チケットは番号が1から300まであり、見たものにスタンプを押していく。
そんな感じなので、最初に行った作品No.90「津南のためのインスタレーション―つながり―」(瀧澤潔)にたどりつくまでも、なんとなく時間がかかったように感じた。

写真のとおり、ぼろぼろの建物で、外から見て「これなのかな…」としばし迷う。ただ目印の作品番号のある看板と、駐車場にいくつかの車があったので、そうだと認識。作品を探すというコツをつかむのも、この芸術祭のポイント。
中は撮影禁止。もとは工場の1階と2階をぞんぶんに使う。1階はロウでかためたトルソー風のTシャツのインスタレーション。暗闇にTシャツからもれる電球の光がぼんやりと。2階は化繊糸がふわふわと天井に張ってある。窓ガラスがないので、枠から見える景色と入ってくるかすかな風も印象的。奥の方にワイヤーハンガーを使ったインスタレーションがあり、これは旦那が都内で見たことあるそう。
移動して、作品No.91「時を越える旅」(管懐賓)。後ろには素晴らしい日本の風景が広がる。さすが新潟、米がいっぱい。

それとすぐ近くに、作品No.92「自然と生の痕跡の共鳴」(田京子)。公民館のような建物の中に色と線の絵画展示。
道路近くにNo.93「かささぎたちの家」(金九漢)。小人の家って感じ。かわいい。

ここまで見て面白いなあと思ったのは、作品がばらけているので、それぞれが独立している。そして新潟の穏やかで北海道にも似た雄大な景色の中でぽつんと、ひっそりと息づいて共存している。インスタレーションは日本でも認知されてはきたけれど、なかなか本来の形で体験できない。ここではあるべき姿と形式で見られる。演劇的であり、ライブであり。
少し移動してマウンテンパーク津南へ。ここはスキー場。山の上まで展示があり、ちょっとしたハイキング気分で。
No.96「森」(本間純)。小さなプレハブの中にびっしり色鉛筆。向こう側に緑深い景色が。

No.95「0121-1110=109061」(李在孝)。ガイドブックの写真と実際に見てみるのと違うものが多い。これは実際は、写真より小さく感じた。

上の方へ移動。途中までは車で。スキー場の頂上から展望台までは歩き。
No.101「私たちのための庭園」(ステファン・バンツ)。展望台に行く途中に、作品の案内板が。なんだろうと思ってみると、木々の合間から見える景色が作品。廃村となった樽田集落に植えられた花畑が見えるそうな。

No.100「やまもじプロジェクト」(滝沢達史)。ゲレンデ斜面に白い布で「山」という文字をつくったもの。いろいろ白い布にメッセージが書いてある。

他にもあったのだけど、あまりに自然に調和していて作品だという認識せずに見ていたり。ここで残念だったのは登り窯の展示が見られなかった。暑い&歩きづかれで、どれを見るかという選択がもうできなくなっていて「まあいいかー」としてしまった。あとで本で見たら、結構みごたえがありそうなものだったので、残念すぎ。ただ、あちこち探して歩くし、暑いし、車で行ってるとはいえ、普通の旅より大変。ガイドブックにもあるのだけど、時間や体力がなくなったら、本当に行きたいとこだけに厳選していかないと。
そしてどっと疲れてはいたのだけど、ここは行かねば〜ということでもう少しだけがんばることに。
No.125「たくさんの失われた窓のために」(内海昭子)。桔梗原うるおい公園内にあるインスタレーション。これはもう風のある晴れた日が一番よいかと。そういう意味では、この日見て一番ラッキーだった作品。

あと、ここの公園内にはNo.123「ストーン・フォレスト」と、No.124「森とつながる」も見られる。どこにあるか、ちょっとだけ探さないと分からない。
そして最後に十日町の当間高原リゾート内の、作品No.31「再構築」(行武治美)。鏡の家。壁に景色が映りこむ。中も鏡だらけ。

そして長岡へ移動。本日の宿へ。もうおなかへりまくりだったので、ホテル内の日本料理屋へ。長岡野菜がうまかった。
でも、食べ過ぎたのと、昼間の暑さのせいで、ものすごい腹痛が…。結局夜中にタクシーで病院の救急へ。レントゲンも撮ったけど、どうもただの胃腸炎だったらしい。同じもの食べて旦那はぴんぴんしているので、単なる体調不良からきたらしい。整腸剤もらってホテルに戻り、なんとか寝ました。
(2日目につづく)