je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

大地の芸術祭 in 越後妻有アートトリエンナーレ2009(2日目)

おなかが痛いのは朝起きておさまってはいたのだけど、やはりなんだか調子が悪い。
朝ごはんはパスして、少し遅めに出発。あまり体に負担がかからなそうな場所をちょこっとだけ行こうということに。
越後妻有交流館「キナーレ」へ(No.39)。十日町は織物の町でもあり、主に織物の展示など。オフィシャルグッズの売り場や、情報スペース、食事どころもあり、鑑賞しつつ休憩&情報収集によい場所。温泉もあり、中に作品展示もあるそうだが、今回は体調不良で断念。
四角い口の字型の建物の真ん中に大きい池があり、展示もあるが、子供たちが暑い中水遊びをしていて和む時間。

武蔵野大学作の「こへびカフェ」という空間でひとやすみ。「Sleeping Mail時間差レター2」というのを見つける。2006年に友人に出した手紙の返信を、3年後の妻有で受け取るというプロジェクトに続き、今回は書いた手紙がある時間寝かされて配達されるという企画。何種類かあるハガキを購入し、こへびカフェに設置されている専用ポストに出すと、そのはがきに設定された時間だけ寝かされてから配達されるというもの。
私は「粘土のの猫に毛が生え揃うまで」を、夫は「街で0から100までの数字を見つけるまで」をお互いにあててポストに投函。いつ着くか分からないのだけど、経過の分かる専用ブログを見ながら楽しみに待つことに。
http://sleepingm.exblog.jp/

中の展示は織物をテーマにしたものが多い。地元のラジオ局ブースや、ちりめんの雑貨屋さん、地元野菜売っていたりしてなごやか。雑貨屋さんでものすごい癒される猫のぬいぐるみがあり、一目ぼれしてしまい購入。そして茄子とかぐら(ピーマンみたいなの)も買って、オフィシャルのTシャツも買い、観光気分を満喫。
写真は「絲の家プロジェクト」。

お昼は施設内の「みやび」という和食屋さんへ。私が食欲がなかったので、何かおにぎりとかないかと聞いたら、あるとのこと。実は十日町はいろいろなお店で「おにぎり」を置いている。居酒屋、鮨屋蕎麦屋、旅館、といろいろなところで。それぞれ独自のもので、食べ歩きしてみても面白そう。その場でも食せるが、テイクアウトが主らしい。しかもお米はコシヒカリ。このお店では、2個頼んだのだけど、ものすごく大きくておなかいっぱいになった。イートインだとお味噌汁&お新香もついてきて、たったの500円。すばらしー。「十日町おにぎり」という、おにぎり作ってるお店の一覧があるフライヤーがあるので、行かれる方はぜひぜひどこかで食してほしい。新潟の米ははんぱなくうまい。コンビニのおにぎりが偽物に思えてきてしまう。
あと一か所くらい行って帰るか、という移動中、怪しい空家で展示をしているようだったので、寄ってみることに。
作品No.28「ストーム・ルーム」(ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー)。
空家の二階に上がると、リノリウムのガランとした部屋。小さなシンクとワゴンに石膏の歯型。もともと歯医者だったのか、そのように見せているのか。雨漏りをしている(ように見せている)ので、置かれたバケツに水がポタリポタリ。実はこの部屋、10分間の間に、音、景色、光が変化する。外から雷光が、気のざわめき、灯がチカチカと点滅し、停電したり。まるで嵐の日の室内を演出している。ものすごくリアル。

このアーティストは"The Killing Machine"というのが話題になったと何かで見て、すごく気になっていたので、見られてラッキー。
http://www.cardiffmiller.com/artworks/inst/killing_machine.html
今回見た部屋、お化け屋敷のようで、でももっと違う何かが出てきそうで、ただホラーというだけでなく、懐かしいけどこわいものっていう感じがする。
さて、最後に行ったのは、作品No.234「最後の教室」。
廃校となった小学校全体が作品になっている。入ると、もとは体育館らしき場所に、しきつめられた藁、点在する扇風機の微かな音と、電球の淡い光。暗い中を歩いて行く。だんだん目が慣れて、藁の湿ったにおいの中、いつか見た学校の形を思い出していく。

体育館は幻想的な雰囲気なのだけど、教室等の方へ移動し、2階3階へ行くと、なんだかお化け屋敷的雰囲気。理科室は心臓音のような爆音に合わせて電球が点滅、教室に積み上げられた机や、そこにかかったシーツ、蛍光灯の青い光、積み上げられた古い子供服らしきもの。そして、もう誰も使うことのない手洗い場や真っ暗な廊下は、懐かしさや寂しさを通り越して、まさにホラー。学校のトイレは使えたのかどうか分からないけど、ドアを開けるのはやめておいた。ああ、でも学校の独特のにおいはまだ残っていて、どこも一緒だなあと思った。


外に出ると、あっという間に田舎の風景。おそらくは校庭だったところに、作品No.235「メディカルハーブマンプロジェクト」という、人の体の形になっているハーブの畑。体の各部位にそこに効くハーブが植えられているんだそうな。奥の方にカフェがあり、濃いいハーブティーが飲める。ハーブカレーもあるそうだけど、すでに売り切れ。私はおなかに効くよもぎを。無添加なのでちょい苦い。

そんな感じで、帰路に。体調を崩したとはいえ、なかなか充実した旅。夏は9月中旬まで、秋には少し規模を縮小して展示を続けるそうなので、あと1回くらいぜひ行ってみたいところ。