je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

光石研映画祭〜祝宴7デイズ〜@渋谷ユーロスペース

名優光石研さんの30周年を記念した映画祭。毎日豪華ゲストも駆けつけるという、レイトショーなのに結構な盛り上がり。
この日は、大森南朋さんがいらっしゃるとのことで、行ってきました。

6年ほど前に下北沢で新刑事祭り(刑事と書いてデカと読もう!)という短編映画際のイベントがあり、大森さんが光石さん主演で撮影したもの。劇場公開のみ、しかもかなりマイナーなので、今となっては貴重!公開時に見たことのあるアタシも相当貴重!
大森さんは上映前なので「頭のおかしい刑事の話。映画は10分しかないから、これ以上は言えない。」と映画の内容については早々に切り上げ、光石さんとゆるゆるトーク
「飲み屋でナオちゃんに会ったらオファーされた。『あ、光石さんでいいや』っていう感じで」と光石さんにつっこまれ、「ちがいますよー!主演は光石さんって決まってて、そしたら飲み屋で会っただけです。でも、佐野四郎さんとかも、その時同じ飲み屋にいたのでそれで出演決まったけど・・・」としどろもどろ。しかし、光石さん「ナオちゃんが声かけると3-40人集まって、協力してくれる。僕は友達が少ないから、ナオちゃん主催の飲み会に行って、その顔の広さにびっくりした。人望がある人」とお褒めの言葉。「いやいや・・・みんな暇だから集まっただけ」と大森さんは謙遜してましたが。
それと「コトー」の撮影の際に、光石さんが何を持って行ったらいいかと大森さんにアドバイスもらったり(シュノケールと海パンと水中メガネと言ったらしい)、行ってからも中間管理職の立場のような大森さんにお世話になってとか。
三石さん、お酒に弱いらしく「沖縄のソウルバーで踊ってましたよ!チークも」と大森さんにバラされ、「覚えてないよー!ほんとにー」と真っ赤になってました。嵐の日に飛行機が飛ばなくて、ホテルの部屋がツインしかなく、大森君と二人で泊まったとか、ステーキ食べに行ったら意外と安いステーキだったとか、食べてる最中に停電したとか。ゆるゆる思い出話はまるで修学旅行を思い出す男子学生のよう。
しかし、大森さん、昔比べると格段にトークがうまくなったよ!露出が増えてというのもあるが、中間管理職的立場になったからか。退場する時に、ファンの子に握手を求められ、さらりと応じる姿もなんか大人。でも、相変わらず、いい友人やスタッフに囲まれているようで良かったです。
映画は、精神的に病んでしまった刑事(三石さん)のある一日。あたまがおかしい人なんだけど、その表情の変わり具合が絶妙で!こわいけど、おかしい。改めて見たら、10分間の中で濃いぃ演技なんだなーと今更ながら感服。

  • 光石さん×リリー・フランキーさん
  • 『ビタミンF』第五話 −衛星ドラマ劇場− 「なぎさホテルにて」

リリーさん、私何気に好みのタイプなので間近で見られてうれしかったです。
光石さんとは同郷ということで、地元話に花が咲く。
光石さんは「博多っ子純情」でデビューの経緯が、友達に誘われて一緒に受けたオーディションで受かったそうなのですが、リリーさんが「それって松田聖子と同じデビューの経緯!」とつっこむ。
「友達が新聞の切抜きを持ってきて、3人で受けて、1人が落ちて、しかもその落ちた1人が切り抜き持ってきた奴で、俺の書類も全部そろえてくれた」、「お父さんがマネージャー化してて、仕事を選んでた」、「新宿のホテルに泊まって、回る寿司をいっぱい食べさせてもらった」とか、当時のこと振り返り。
リリーさん曰く、「当時は地元のシンデレラボーイで、憧れだった。やっかみもあったし、うらやましかった」とのこと(その次の石井監督も同じ事を言っていた)。

リリーさんが脱線しまくるので、光石さんの同級生のやっている渋谷の蕎麦屋の話やら、前バ○の話やら、盛りだくさん。司会の人が間に入ろうとするたびに、リリーさんが新しい話題を入れるので、その変な間も面白かったです。
「ビタミンF」はさすが岩松了脚本だけなことはあり、飄々と、しかし不思議な空間にグイグイと引き込まれる。後で原作読んだら、結構違ってて、岩松テイストの方が強い感じ。岩松さんのセリフはドキッとすることがあって、それを光石さんがサラリと言ってしまって、日常に埋もれそうな言葉が一番怖いなーとか思う。光石さんの「普通のお父さん」は過去の思い出に縛られているんだけど、ぱっと見は全然分からなくて、でもわりと恐ろしい事を嫁に言っていて(原作では言わない)、こんな旦那やだようとか思うんだけど、こういう無神経な感じが意外と本音かなあ、とか思ったりする。
水橋くん演じる若い男と、その恋人が、中和剤のようになっていて、この辺の画は監督の高橋陽一郎さんの見せ方うまいなーと思った。
上映後に司会の方が、「脚本の岩松さんと高橋監督こちらへ」と壇上へ呼ぶと、私の後ろの関係者席にいた岩松さんが「ええっ!聞いてないよ」と思い切り動揺していてウケる。
岩松さん、思い出話を聞かれ、「時間がなくて何を書いたかも覚えてなかった。原作も読んだかどうか覚えてない」、「そもそも光石さんがフランス語が分かるという設定が無理があった」などなど、動揺してた割に小ネタトーク。車のプリントがしてあるアロハっぽい派手なシャツが若々しかったです。どこで買ってるんだ、あんなの。

石井監督も同郷ということで、方言トークでまったり。初めてお姿拝見したのですが、小柄で細い少年体型。作品のイメージではもっとワイルドな感じの人を想像していたので・・・。
トークは天然。「役者って大変だねー。俺、役者って楽な仕事だと思っていたけど、自分でやってみたら、待ち時間が長くてつらかった。役者はえらい、待ち時間をあんな耐えられるなんて」としきりに待ち時間に言及。光石さんがぼそっと「いや、待ち時間だけじゃないです・・」と苦笑い。
全体的にまったりと、しかし天才(天然?)ばかりが集まった夜でした。おなかいっぱい。