je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

東京国際映画祭「キャッチボール屋」@VIRGIN TOHO CINEMAS ROPPONGI HILLS 5

前日にネットで当日券獲得。つくづく便利な世の中になったものよの・・・。
お昼にヒルズの飲茶で小籠包を各種味わう。うまいよー、おいしいよー、幸せだよー。「猫舌なんだよね」なんて言っていたら、「長女だからね」という意見が。長女は最初の子で、親にふうふうされて育ったから猫舌らしい。ほんとか?ま、なんにせよ、映画好き女子7人で舌鼓を打ちながら、内輪でしか通じない言語で、好きなものについて話すひとときはサイコー。
上映前の舞台挨拶は大森南朋くん、松重豊さん、キタキマユさん、大崎章監督。みんな背が高−い。とりわけ、松重さんはマッチ棒のよう。愛しの大森くんは、茶系の長めのニットパーカーに、同系のニットハンチング、中は黒の襟ぐりの深いTシャツ、黒系ジーンズ、うぐいす色のデザイン系スニーカー。赤っぽいチョーカーもしてたかな。いつものように、ぐるんと会場を見回して、でも、目はどこを見ているのやら。焦点の定まらぬ黒い瞳。久々のナオちん、相変わらずでした。挨拶では「主演という事で思い入れも深い映画です」みたいなことをおっしゃってました。
さて、内容はというと、リストラされて群馬の実家に帰ってきた主人公(大森)が、酔っ払った勢いで東京に行き、そこでキャッチボール屋になってしまい、色々な人と触れ合うという、ハートウォーミング&ストレンジな映画でした。
「はあ」「ああ」「あ・・・」とかの台詞がほとんどで、受け身全開、食べ物を女子からもらい、理不尽な八つ当たりをされる。いつのまにか人の大事なフィールドに巻き込まれ、いつのまにか置いてけぼりにされる。公園に常駐している野良犬のようだ!飼い犬と捨て犬の中間。これこそ大森南朋の真骨頂です。
キャッチボール屋という職業もドンピシャ。たかだか、キャッチボール。でもひとりひとりボールが違う。距離、速度、フォーム。投げているのはボールじゃないかもしれない。
脇役陣もなんとも味わい深い。松重豊VS寺島進は、エイリアンVSプレデターのごとく、主演を平気の平左で食い荒らす存在感。ううん、さすがです。しかし、若手も負けてはいません。大森南朋水橋研二のぶらりコンビ、年々その密度を濃くしてます。プライベートも超仲良し。二人が熟年になったころ、ダブル主演を見てみたい。大森くんと「義男の青春」で共演した内田春菊さんは、年を追うごとに綺麗になる人だなー。笑いを終始誘ったのは、光石研さん。なーんか、本人意図してないのに、存在そのものが微笑を誘うのよね。キタキマユちゃんは、初々しい中に、不思議なふわっとした存在感。
人生忘れ物をしてしまう時もある。でも、取りに行くことはできない。でも、その頃の自分に問うてみたいことがあるなら、そばにいる誰かにポーンと放ってみたり、ひとりでどこか歩いてみたり、いろいろ探してみるのもいいかもしれない。見つからなくても、それはそれで。そんな映画。
上映後のティーチインは、大森くんはお仕事のため欠席。脚本についてや、制作の面白話。ほのぼのとした空気の伝わる、いいチームぶり。松重さんはキタキさんにデレデレでした。