je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「その名にちなんで」@日比谷シャンテシネ

映画化がワクワクなのは久しぶり・・・。ではあったのだけど、ちょっと映画はものたりないかな〜。
以下ネタバレあります。
ありがちですが、原作が良すぎ!なのだね。原作を読んでいないと、ちょっと細切れな感じで話がつかめないかもしれない。それでも、かなりうまく映像化しているなあとは感心した。役者さんもしっくりしてたし。インド生まれの親と、アメリカ生まれの子供たちの対比や、インド文化の見せ方もほどほどでよかった。もっとインド色が強いのかな〜と思っていたけど、そうでもなく。
父・アショケ役の役者さんが特にヒット。誰かに似てる〜と思いながら見てたんだけど、カトリシンゴがコントでオジさん役やる時に似てる!シンゴちゃんってインド顔だったか〜。
母・アシマ役の女優さんはほんとに綺麗だったな〜。おかげで、ゴーゴリの付き合う女が全部ぶっさいくに見えた。「お母さんが綺麗なのになんでお前はブス専なんだ!」とつっこみたくなったよ。「しかもブスな上にアホで尻軽ばかり!」とまで思う。原作だと違うんだけどね。最初の彼女のマックスはホントはエキセントリックなアーティストのはずがアホなお嬢様になってるし、結婚する事になったモウシュミも、ただの身持ちが悪い女になってるし。何故そうなのかという描写は原作ではじっくりはっきりあるのに、この二人が完全に脇役、というか捨て駒な感じで残念。映画でこの二人に好感持つ観客はいないのでは?アシマの引き立て役でしかなかったよ。対比ですらない。
原作のアシマは「おかあちゃーん」って感じなのですが、映画だと彼女の「女の一生」に焦点を当てていて、しかも女優さんが美人なので目立つ目立つ。個人的にはもっとゴーゴリとお父さんの関係を掘り下げて欲しかった。まあ、原作でもゴーゴリはアホっちゃアホな子なのですが、映像で動いているゴーゴリを見ていると「女運がないというより、お前は女の気持ちが分かってない!」と強く思ってしまった。ゴーゴリがアホなだけではなく、アホなりに悩んでいるという部分はやはり父との関係でしか描けないような気がするのよ。死んだ父のアパートで父親を感じるシーンとか、幼い頃に父親と波打ち際まで行って「世界の果て」を見るシーンとか、いいシーンはあるので、もう少し積み重ねてカタルシスがあった方がいいなーと思う。
特にラストのお父さんのメッセージを見つけるとこも、原作と同じで一人でそっと見つめてて欲しかったなー。何故にお母さんがいるのだ。
途中で新婚のゴーゴリが嫁といちゃつくシーンで、何故かミュージカルになっていたのは、インド映画へのオマージュ(?)なのか?あそこだけ変だった。
映像にしてドキッとしたのは、アショケの遺灰をガンジス川に撒くシーンで、撒くすぐ横で子供たちが水浴びしてて。さすがインドー!と思いました。