je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

最近読んだ本

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

最初の女教師の「告白」ですべて明らかになる。それだけで衝撃があり、すでに完成度が高い。
しかし、その後の、事件関係者のそれぞれの告白により、事件が立体化され、新たな流れを生む。
小説としては、最初の告白のみでも十分だったろう。映像化した時に、より全体像がはっきりとして、原作と映画がそれぞれ絡みながらも独立していた。最近の邦画で、原作は原作、映画は映画というのが多く、それは色々な事情だったりでいたしかたないと分かるのだが、せめて両方とも満足いくものが見たいといつも思うのだが、今作のようなケースは稀だろう。
先に原作を読んでいたのだが、ウエルテルの役が一番気になった。私の脳内キャスティングでは石原良純だったんだけど、映画のウエルテルの描き方の方が、あーなるほどね、と腑に落ちたな。良純だと濃すぎるよなあ。
悪人(上) (朝日文庫)

悪人(上) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)

さみしい人しか出てこない。というよりは、人はひたすらにさみしいのだと思う。
佳乃や光代のような、若い女特有の寂しさを何故作者は分かるのだろう?と読みながら不思議に思ったが、古今東西、DNAに組み込まれているのではないかというくらい、変わることがなかったのだ。テレビを見ても、男女間の事件のなんと陳腐で同じような内容が多いことか。普遍的というには、やはりあまりにもさみしい。
でも、さみしいことは悪いことではない。すべての感情の根源に、いつもさみしさがあるのを、皆知っていて、皆気付かないふりをしているだけだから。

「センチメンタルな旅 春の旅」荒木経惟
友人に誕生日のプレゼントでいただきました。
この前、展覧会を見に行った時は売り切れてて、残念だわ〜と思ってたら、友人が先にゲットしててくれたのです。ありがと〜!限定らしいのでよかったっす。
いざ開いてみてみると、展覧会の時の距離感より近いので、やはり凹む。チロの顔やからだが、どんどん小さくなっていくのがつらい。でもいい写真だなあ、凹むけど、その凹み加減がいいなあ、と思いながら、決して笑顔では見れないけど、愛がじんわり染みいる。