je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

いろいろ読んだもの

実は(と告白するでもないけど)森脇真末味がすごい好き。ここ何年か、文庫版で復刻しているので、揃えるようにしている。
一番最初に読んだのは、小学生の頃に前橋の父の実家で。今ではイラストレーターとなったいとこが持っていた膨大な漫画の中にあった。
ただ、その頃、途中までしか読んでなかったので、気になっていたのだが、題名だけは覚えていた。「おんなのこ物語」なのに、主人公が男で、脇キャラもほとんど男で、少女漫画なのになんだか泥臭い感じがした。でもすごく惹かれた。
今思えば、バンド好きだから惹かれたのか、これを読んでてバンド好きになったのか。
音が聞こえてくる漫画っていうのはそうそうないと思うけど、これはほんとにそう。八角のドラムが、ビシビシと伝わってくる。
そしてこの話、バンドが崩壊して行く話なのだ。しかも「玄人受けする完成度の高いアマチュアバンド」。なんだかsyrup16gに重なってしまう。八角のドラム馬鹿なキャラが大樹ちゃんにものすごく重なるのだ。残念ながらG&Vo.の仲尾は五十嵐にはまったく似ていない。
著者がストーリーに力を入れたというように、台詞がすばらしい。どれをとっても、生々しく、するりとこちらに入ってきてしまう。
また著者は、どのバンドに影響を受けたわけでもないとは言っているが、じゃがたらフリクションが好きと言っているあたり、作品の泥臭さが作品の「音」になって聞こえてくる。

緑茶夢(グリーンティードリーム)―スラン (小学館文庫)

緑茶夢(グリーンティードリーム)―スラン (小学館文庫)

ついでにこちらの姉妹(兄弟?)シリーズを紹介。時系列としては、「おんなのこ物語」の中に出てくるバンド「ステッカー」解散後に、ベースの水野が作ったバンド「SLAN」の物語。作品としてはこちらが先に発表されている。
とにかくボーカルの阿部弘のキャラがカリスマ的で、TO-Yに似てる部分もある(「TO-Y」は1985年で、「緑茶夢」は1979年)。
これを読んでて思い出すのは、とにかくミッシェルだ。とはいっても、読んだ時は小学生で、その頃ミッシェルはいなかったため後で読み返して、弘とチバを重ね合わせた。
もし実写にするなら絶対に弘はチバ(ただし20代)。コミックバンド桃色軍団の大城はトータス松本で。
優しすぎて、怖い (文春文庫)

優しすぎて、怖い (文春文庫)

翻訳物だけど、翻訳がうまい。題名のつけたかもうまい。もちろん構成もキャラも文章も良い故ですが。
オチがうますぎてうわーとうなってしまいますが、そこに行くまでの「連れて行き方」もこの作者はうまい、です。
秘密なら、言わないで (文春文庫)

秘密なら、言わないで (文春文庫)

これも続けて読んでみた。こっちもオチまでの「過程」が読み応えがある。ただ、オチはこちらは途中で分かってしまった。
この人の作品、強い女性が多いのですが、みんななぜか言葉遣いが汚いようなので、原文で読んでみたいなー。