je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

みやざはけんぢに想ふ

2日連続で、宮沢賢治の詩を載せたのは、何かへのメッセージでもなく、今の状況を象徴しているというのでもなく、ただただ自分のこころのため。
日本でも「何もできない」と心を痛めている友人のなんと多い事か。それでも、みんな節電したり、徒歩通勤したり、食事ををあるもので工夫したり。なのに私は、何もできない。家族や友人のそばにいって、同じように苦しみ、分かち合い、励ますこともままならない。
そして、悲しみや不安や恐れから、人々が叫び、煽り、怒り。その不安のうずに巻き込まれてしまいそうで。
それでも、被災した友人のことを思えば、私ごときが怒ってはいけない、今しっかりしなければと日々思いつつ、それでもなだめることのできないこころのなか、宮沢賢治の詩集を開いて、何故かやっと我に返ったという。
「永訣の朝」は一番好きな詩。小学校の時に読んで、その時はぜんぜん意味わからなくて。
賢治の詩はさみしい、でもやさしい。どうしてこんなに言葉が、すーっと体に入ってくるのか、いつも不思議。

新編 宮沢賢治詩集 (角川文庫)

新編 宮沢賢治詩集 (角川文庫)

私が持ってるのは昔買ったのなので、表紙絵が飯野和好さんバージョン。飯野さん好きー。
宮崎の噴火の時に、「グスコーブドリの伝記」のことを思い出したんだけど、今回の件でもグスコーブドリを思い出した人は多いよう。グスコーブドリが火山へ向かうくだりは、科学的に考えるとどうなのか、という点もある。でも、いつも考えさせられる話。ただ英雄の話ではない、と私は思う。ある技術者の、そしてだれかの子であり、兄である人のはなし。私がこの話を好きなのは、今回のことだけでなく、いつも父のことを思い出すからなんだけど、何故かはまたいつか。
しかし、ああ、読みたいと思って本棚を探したらなかった…。
と思ってたら、青空文庫にあったー。
http://www.aozora.gr.jp/
落ち着いて、日々のことをこなしながら、こっちでがんばらなくては。日本の分も旦那に働いてもらって、私もできることを探しつつ。