- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/01/31
- メディア: 単行本
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前作の「風味絶佳」から久々。前作は、著者お得意の中編作品集だったけど、今回は長編。中編の方がこの人の良さが出るのだけど。今作は長編の割りに肩の力が入っていなくて、するりと読めた。中編の時の温度で、長編を書いた感がある。
恋愛ものは、悲恋だったり苦しいものだったり、障害があったり、憎悪があったりが面白いのかもしれないけど、これは本当にただ普通の恋愛。40代半ばの男女なのに、全然大人じゃない大人の恋。時代と逆行、いつまでも自分らしく。恋愛だけじゃなくて「自分らしく生きてればいいじゃん、お金なくてもさ♪」というエイミー姐さんの美学がいっぱいつまってる。
- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 文庫
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ものすごく痛い話ばかりなので、気軽さや楽しさを本に求めてる人は読まないほうがいい。まあ、そういう方はこの作品の痛さに気が付かないかもしれない。言葉が優しく、分かりやすく、登場人物もできすぎなくらいいい人が多い。でも、だからこそ、この作品の中の「痛さ」がヒリヒリと染みてくる。角にぶつけた足の小指や、ふいにできてしまったささくれだとか、ああいう痛み。
傷はもしかしたら、傷でしか癒されないかもしれない。と最近思う。決して後ろ向きな意味ではなく、いつまでも一つの傷に向かい合っていたら、人は弱くなってしまう。また新たな傷を負うこともあると、そう気が付かなければ。
私事だが「おかあさーん!」は、自分の事じゃないかと思うくらい、当てはまってびっくりした。主人公は会社で毒入りカレーの被害者となって、思いがけずトラウマを負う。自分でも気が付かないうちに。「事件ハイ」になるとことか、興味本位な質問にパニックに陥ってしまうとことか。ばななさんは何かそういう事があったんだろうか。すごいな、と思う。
- 作者: 田辺あゆみ,藤代冥砂
- 出版社/メーカー: ロッキングオン
- 発売日: 2004/04/30
- メディア: 単行本
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カメラマンの夫が、モデルの妻を写す。言葉だけでは、まあなんてセレブな!というシチュエーションだけれど、写真はただ「大好きな大切な人を見つめる視線」しかない。写真から、好きだ好きだと言葉が漏れていく。本当にただシンプルに、そこにカメラがあったので、好きな人を撮ってみた、というだけの。見ているだけで、幸せな気持ちになる。
- 作者: 板東寛司,青嶋ひろの
- 出版社/メーカー: あおば出版
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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