je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

鷺沢さん関連

鷺沢さんが父のように慕っていた黒川氏。作家として、麻雀仲間として、公私共に支えていた方である。今回、黒川氏のあとがきに、講談社文庫版で載った鷺沢さんの解説を再録している。ほとんどのスペースがそこに割かれていることに、黒川氏の静かな深い愛情を感じる。
作品もとてもエキサイティング。すっきりした文章なのに、じわじわと染み込む恐怖。そして、ひとつひとつのキャラを簡潔に描く力量。関西人ということもあるのか、ダシがきいている。けれど、海外で映像化してもよいくらいの強いイメージを起こさせる。

こちらも解説が鷺沢さん。そーよ、女の子は「イシ」が好きなわけじゃないの。「あの人」からもらった「イシ」が好きなだけ。とはいいつつも、お母様のエピソードは苦笑。うちの母も、我慢強いふりをして、結構とぼけている。女は図々しいなあ。
作品は何度も読み返したものだが、今読んでみると特別に新しさはない。恋愛はいつも普遍であるともいえるけれど。
森瑶子のは彼女らしい作品だが、現代にこれだけの美学を持って、ギリギリのラインを保つ女性がいるだろうか。山田詠美は、ファンタジックで切なく、「心の贅沢さ」をきちんと描いている。この人の「モノはあくまでツールでしかない」というスタンスが好き。

公式サイトの書籍版。方言や言い回しなど、地方によって違うことばについて、ファンからのメールを元に検証しまくる。確かに、インターネットってすごい。昔はフィールドワークしてやってたことが、一瞬でできてしまう。方言ネタのミステリーとか、すぐ解決できちゃうよね。他にも地方に限らず、世代、家庭のみで使われる言葉などいろいろ。言葉って面白いなあと思える一冊。
そうそう、やっぱり「なんちゃって横浜」だと思うよ。(私信)