je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

親孝行?

母が長年やっている、朗読の発表会を見に、深川江戸資料館へ。
朗読、といってもただ本を長々と読むのではなく、一人芝居に近い。しかし、芝居よりも言葉の「語り」を中心とし、動きをおさえた中で伝えていくので、落語に近いかも。
以前は母の舞台を見に行くのは、心臓に悪かった。手にとるように分かってしまうので、失敗するたびドキドキしてしまった。しかし今回は、信頼できる優秀なスタッフに恵まれ、本人も変な情に流されることなく、自分の芸だけを考えられるようになったようで、普通に鑑賞できた。そう考えると、やはり役者というのは、自ら動くというよりは、動かされるようなスタンスの方が生きるのかもとも思う。ただし、なんにせよそうだが、葛藤や努力があって、その積み重ねが力と変わっていくのだけど。
なんてことも考えつつ、舞台の構成、出演者、スタッフの動き、照明、演出、小道具等々・・・、いろいろ見て、あまりどこも気にならなかった。ということはバランスがよかったということだ。
難を言えば、2時間という上演時間と、江戸資料館の舞台は天井が高いので、空間をもう少し広く使うか、狭く見せるようなつくりにした方がよかったかも。語りは出演者が少ないので、空間があまってしまうと粗が出るし飽きてくる。
母が演じたものではないが、太宰治の「恥」という作品が面白かった。作家に憧れている女性が、思い込みと屈折した愛情表現で、作家にイタい手紙を書いて会いに行くという物語。太宰の実体験だろう(太宰も充分イタい人ではあるが)。今も昔も、有名人は大変だったのね。