je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「有頂天ホテル」

公開初日に鑑賞。
三谷さんなので、やはり台詞が豊富。ポンポンと小気味よいテンポで繰り出される。
登場人物は普通の人々。色々な職業、色々な背景。嘘もつき、ずるく、でもおかしみのある人ばかり。三谷さんは性善説の人なのかな、と思う。そして、何か「守る」ものを持つ人を描く。守るものは、形を為しながらも、最終的には自分自身の中にある気持ち。
三谷さんの舞台を見たことが、残念ながらない。ドラマや映画で見る限り、やはり舞台の人だな、と思うことが多々あった。限られた場所で繰り広げられる人間模様。ただ、この映画については、映画というのを念頭において作っていると思った。
以前に、海外招聘の仕事をしていたので、ホテルに行く事が多かった。宿泊、食事、会議の手配。ホテルでは色々な風景がある。泊まるだけの場所ではなく、結婚式、パーティで多くの人が集まる場所。そして、色々な仕事をしている人がいる。一人では動かせない事が凝縮されている。たった数時間のうちに、色んな出来事が日常的に起こる。そういう意味では、舞台にするにはうってつけの場所なのだ。
しかし、それをドラマにするというと、とっ散らかってしまう危険性もある。三谷さんはエピソードをふんだんに盛り込みながらも、最後のシーンですっきりまとめた。これは、舞台出身ならでは。
佐藤浩市さんはいつ見ても男前。ずるい男を演じて、しかも泥臭すぎない。YOUは久々に歌を披露。この人の声は本当に可愛い。昔と同じだが、昔より味が出てきた。
日本人は年明けとともに、気持ちを新たにという風習がある。また新しい1年が来て、もしかしたらまた同じような日々かもしれないけれど、この日だけは、誰もが明るい気持ちになる。多分、どのイベントよりも独特の雰囲気に満ちている。