je suis dans la vie

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MISATO V20スタジアム伝説〜最終章〜 NO SIDE

とうとう、この日がやってきてしまった。渡辺美里西武球場、そして私たちの長い長い、果てしないはずの旅が、果てをみつけてしまった。
始まる前、今までのCMなどの映像を流し、ライブを待つファンの姿をランダムに映し出す。カウントダウンのように、50分前、40分前と時間がその合間に巨大スクリーンに映し出された。ライブアルバムのCMの映像が流れた時、美里の「みんなみんな、会いたかったよー!」の声も流れた。生の声じゃなくて、まだライブが始まってないのに、ああ、この声をここで聞くのももう最後なんだと思うと、もう涙が出てしまった。
メインステージから、スタンドまである花道。1996から2005までの数字が等間隔に並ぶ。花道の真ん中と、スタンドの端側にスクエアのステージ。
スタンド側の2005にあるステージに、セットされた気球、美里はそこから今年の夏を「GROWIN’ UP」で始めた。ピンクのヒラヒラの衣装の美里。アリーナとスタンドは青でうめつくされ、一部指示された席の人が持っている白い紙で「V20」の文字。そして、本当に最後の「みんなみんな、会いたかったよー!」が響く。まっすぐな言葉。「すき」「BELIEVE」と痛いほど胸に届く、直球のまんまの、今も変わらない歌を惜しまず歌い、真ん中に一旦移動し、アコースティックで「素顔」「いつかきっと」。「素顔」は映画「F」の主題歌。鷺沢さんの事も思い出して、余計に涙が出た。
そして、バンドに戻り、ウルトラメドレー!これは圧巻。デビュー曲の「I’m Free」から始まり、各時代のシングルや名曲を続けざまに。今ではなかなか聞けない「18才のライブ」「シャララ」。そして「ドラえもんのうた」も。30分以上歌いっぱなしで、本当にすごい。でもこっちもかなり体力を消耗(苦笑)。
「青空」「夏が来た!」を歌い、一旦暗転。「きみに会えて」のインストが流れ、スクリーンに、今まで西武に関わった人たちの名前が、映画のロールのように映し出される。
メインステージから、青い衣装の美里がまたやってくる。ありがとうの想いをこめて歌う「サンキュ」。そして、本当にここで聞くのは最後になってしまう「My Revolution」。この歌の意味を私は今も追い続けている。多分ずっと。
そして、「センチメンタル カンガルー」で聞き覚えのあるカッティング。そう、佐橋佳幸が西武に帰ってきた!最初の10年のバンマスであり、美里の盟友。絶対来てくれるとは思ったけど、やっぱりこれが一番嬉しいゲスト。葛城さんのハードなゴリゴリのロックギターは、今の美里の重厚な音作りには欠かせないんだけど、佐橋君の弦一本一本がくっきり浮き立つような繊細でポップなカッティングは、美里のメジャーラインをずっと支え続けて来たし、今も柱。葛城さんとのギター合戦はまったく贅沢なショー。
「パイナップルロマンス」では、あの嵐で途中中止になった西武の時を思い起こさせるような、美里と佐橋君のロックなステージング。そう、あの日その場にいた人は分かると思うんだけど、本当に鬼気迫るステージだった。演奏中の大音量よりも大きな雷が鳴って、その中で豪雨に打たれる二人は必死だった。危険を承知で歌う美里に、佐橋君が寄り添って一緒に戦っていたんだ。今日は、笑顔でカッコよく決めてくれた。佐橋君は私にとっては「スナフキンのようなギター」なんだよ。ほんと。
そして、美里の大事な盟友、千里兄さん。「チェリーが3つ並ばない」で気球に乗って、スタンドにチェリーらしき赤い玉を投げてました。
サマータイム ブルース」の後、松井選手、徳光さんからのお祝いVTRメッセージ。松井選手の「来年はヤンキースタジアムで」はなかなか粋でした。てゆーか、行くの大変だよー!でも行くけどな。徳光さんのコメント長すぎなんですが「5年後に21回目の西武やればいい」にはちょっとぐっときましたよ。いいこと言うじゃん。
そして「 恋したっていいじゃない」でグッチー・ヘンドリックスこと山口智充さんとの「YMCA」とのコラボ。これも西武ならでは。
「スピリッツ」「恋するパンクス」「JUMP」と骨太なロックを聞かせる。そして、また千里兄さん登場。「10 years」は作ったときは、おそらくはこれほど長く歌われ、そして大事な意味を持つ事になろうとは思わなかっただろう。千里さんのピアノの鍵盤を打つ音は、美里の声に混じるように響いた。 
万感の想いを預け、「My Love Your Love(たったひとりしかいない あなたへ)」を歌う。私にとっては、美里との旅は長く、険しい時もあった。でも、一度もこの人を疑う事などなかった。ずっと信じて、愛し続けてきた。彼女を、彼女の歌を。まだこれからも果てのない旅は続くし、先は見えないことも多い。でも、きっと大事な場所へ行き着くと分かっているから。
ほとんど話さず、歌いっぱなしの美里が「今まで、スタジアムでやるために私はかなり一生懸命だった。そして、一生懸命になれる何かがあることは素晴らしい事だし、一生懸命になるっていうのはかっこいいことだって思う」と、目をうるませながらも、何かを大事なものを見つけた目をしていた。そうだね。一生懸命なことは、ちっとも恥ずかしいことじゃない。めっちゃかっこいい。私が最近思ってたことを美里が言ってくれて、ああ、やっぱりこの人ってすげえとか思った。
そして「最後の曲です」と美里が選んだ曲は「Lovin’ You」。最近、歌う事がめっきり少なくなった。多分、美里はこの歌をものすごく、ものすごく大事にしてる。これを超える曲はなかなか出てこないと思うし。久々のロックンロールバラードは、本当に何かが降りてきた。白い衣装の美里は、音楽を武器にして、世界を揺るがしていた。あの瞬間は。
隣りで、ともこちゃんが肩を震わせて大泣きしていた。私も泣いていたけど、苦しい涙じゃなかった。ただ想いが素直にあふれるように、とめどなく流れていた。ともこちゃんの肩を支え、美里と歌った。これからのために。
美里の20年目の夏。私とともこちゃんとの19年目の夏。いつの頃からか、「夏には美里があるから」が合言葉になった。万難を排して、そう、本当に1年に1回のお祭りに私たちはなんとしてでも足を運んだ。
ともこちゃん。あなたに初めて会った時の事は、今でもはっきりと覚えてる。春、クラス最初のHRで自己紹介をした時、一番窓際の前から二番目の席、あなたが「私、音楽が好きなんです」って今と変わらない満面の笑みを浮かべて言った時、私は「この人と絶対ともだちになる」って決めたんだ。すぐ声をかけに行って、美里のカセットを渡して、今思えばかなり強引に西武に誘ったような気がする。それから19年経って、制服を着なくなってずいぶんたって、いろんな季節をお互い超えてきたね。本当に、本当に、ありがとう。今までも、これからも。
美里が、スタンド側のステージをからメインステージに戻ろうとした時、観客からまだ終わりたくない想いがあふれて、歓声や拍手が止まなかった。私も「いやー!行かないで!」と叫んでいた*1。美里が足を止め、「まだまだ夏は終わらない!」を合図に、「夏が来た」のイントロがはじけるように始まる。美里がマイクを客席に向け、大合唱。美里はスタンドの真ん中の階段を上り、スタジアムの裏へ消えていった。
泣きっぱなしのライブだったけど、美里が本当に素晴らしく、たくさんパワーをもらって、終わったあとは笑顔で、ともこちゃんと携帯で写真を撮りまくった。寂しい気持ちをあったけど、また会えるんだって分かったから、西武にありがとうと、しばしのさよならを告げた。
もっとたくさんのいろんな想いがめぐって、書ききれないんだけど、やっぱり、美里が大好き。それに尽きる。これからもずっと好き。美里がこれからもずっといい歌を歌って、そしてできるだけ笑顔でいられるように、祈り続けようと思う。
See you next summer!

*1:それ以外にも、ライブ中「愛してるー」「ありがとうー」「みさとー」と恥ずかしげもなく叫んでいました…