je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「アイスクリームマン」@下北沢 ザ・スズナリ(2005/05/21)

岩松了3本連続公演の第一弾。
合宿免許での人間模様。男女関係が主。モテ男、変人、キレ気味なやつ、おせっかい、暗い奴、傍観者。ひとりひとりが個性があるようで、どこにでもいそうな人々。男と女をひとつ屋根の下に詰め込めば、起こる事は限られている。モテ男・水野がトラブルメーカーとなり、それをひとつの軸に話が動く。けれど、誰が主人公というのではない。一時期だけの人間関係、濃いようでそうでもない。だから皆、勝手気ままで、表層的だ。修学旅行とか、サークルの合宿とか、その時だけの盛り上がりやトラブルがあって、もとの日常生活に戻れば忘れてしまう。そんな空気。
当たり前だけど、脚本うまいー。よくいわれるのが、脚本はネタよりも、セリフが生きているかどうか、が大事なんだそう。ネタは意外とどこにでもあるといえばある。古典は別としても、その時代・年代・性別に即しているかどうか。この性格の人が、この言葉を使うだろうか?そういった違和感が岩松了にはない。ひっかかりどころがないくせに、クセもアクもとても強い。
遠藤雅くんはうまいなあ。ああいうさらっとした雰囲気をまんまさらっとやってしまう。いやみがないけど、気になる。役者はいわば詐欺師だからなあ。よき詐欺師なり。
最後のさなえとのつぼのラブシーンがよい。普通のラブシーンよりエロい。触りたいけど触れない、触るタイミングを逃してしまった男女の葛藤。長引けば長引くほど、ねじれ、ほどけなくなる。
うーん、こわいです。あと二本も心してかからねば。