je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

ばななとヨーコ

バナタイム (幻冬舎文庫)

バナタイム (幻冬舎文庫)

ただの私 (講談社文庫)

ただの私 (講談社文庫)

ばななさんのは原画伯の挿絵に惹かれて。この人の文章は軽めで、いつも読みやすい。でもなんだか、すーっと入って、後でもう一度読み返すと、違う感じになる。小説の方もそう。エッセイはあまり読んだことが無かったのですが、書いてるものとエッセイとギャップがなくていいかも(極端なギャップが許されるのは、中島みゆきだけである)。「そのひとことが」「ターニングポイント」での、なんてことない友人の一言や行動が、ふっと染み入る感覚。多分、モノやカタチや名前や評判でしか事象を捉えてない人には分からない感じ。この人は心が柔らかいんだろうなと思う。つくづく、そういうことの価値観というのは、気がつかない人はそのままなのかもしれん、と最近思う。「与えることばかりで、愛情を受け取ることができなかった、実は傲慢な自分」というくだりなど、なるほどなーと思う。子供みたいな感覚をいい意味で残している。
ヨーコさんのエッセイは今更なのですが。最近、なぜかジョンのことを考える機会が多く(といっても、人との会話とか、音楽とか、変に符号が合うという感じ)。その中で深く関わっていた女性についても、気になってしまい。彼女についてはそんなに偏見がないので(むしろジョンの方にはあるのだが)、内容についても、やはり頭いい人だねえと思う。書き出しの「私は美人で頭がよく…」のあたりは、「いいぞ、いいぞ」と思ってしまう。どうしてもリブ的なことに偏りがちだけど、「自分らしく」生きるっていうのは、人として当たり前のことなのにねえ。ま、最近は男性の方がそういうことに悩みがちかも。
あまり女性のエッセイものは、どうしても「女の生き方」やら「恋愛指南」とかが多くて、辟易して避けていたのですが、時々読むならリフレッシュになっていいかもしれん。それにしても、その類の本のコーナーが普通になったよなー。「本命彼女になる方法」とかいう本もあったぞ。てか、そんな本読んでる奴、いるのかよ。この国はどうなっているのだ。