je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「猫のゆりかご」

「成熟とは苦い失望だ。治す薬はない。治せるものを強いてあげれば、笑いだろう」
もうこの文で五十嵐を思い出してしまった。
ちょっとヴォネガットを読み始めてて、本当は「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を探してるのだけど無かったのでこっちを読んでみた。「猫のゆりかご」は原題は「Cat’s Cradle」で、あやとりのこと。
ストーリーはあまりどうでもよくて、筋よりも、作品内に出てくる「ボコノン教」という架空の教義が面白い。上記はそのひとつ。
はみだしっ子」でグレアムが「ローズウォーターさん・・・」のあとがきについて触れる箇所があり、「どうしようもない時に、人は笑うしかない」というフレーズも、短いながら真実を射ているので印象的な言葉だった。
高橋源一郎を読んだときも衝撃だったけど、これもそんな感じ。五十嵐の本棚にしのびこませておきたい一冊。(あったりして)