je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「ブロークン・フラワーズ」

ひっさびさのジム・ジャームッシュ。相変わらずのなんとも不思議な流れに身をまかせ、楽しいんだかなんだか分からない話。
ドン・ジョンストンは独身の老プレイボーイ。若い恋人は、いつまでも煮え切らない彼に愛想を尽かし出て行く。そんな時に投げ込まれた一通の手紙。昔の恋人からで、実は20年前に彼の子供を生んでいたという内容。差出人がないので、相手が誰だが分からない。友人にそそのかされ、昔の恋人たちを訪ねに行くことに・・・。
お馬鹿なコメディに徹するか、息子と出会って改心して、昔の恋人ともよりを戻して家族の愛を知るとかのお涙ちょうだいな話にしてもいいのに、ならない。
昔の恋人たちはどこか変な人たちだし、なんとなく気まずいし、感慨深さもないし。ドンは自分がなんでこんなことしてるのか分からなくなって。現実味がない話なんだけど、逆に「いなそうでいる人」「なさそうでありそうな話」という感じがリアル。台詞が少ないのも、自然な感じ。映像ではピンクをポイントに、印象的に見せていく。
謎めいたまま、でもそれはそれで納得できる。オチがないのか、あるのか。あー、これこれ。初めて「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を見たときに、こういう映画もあるんだなあって不思議な感動を思い出した。
しかし、みやちゃんは「ストレンジャー・・・」を知らないらしい。いや、流行ったんですよ!ン十年前にね・・・。
(私信)kai嬢、バトン受け取りましたー。うふふ。