je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「THIS IS IT」

ずーっと行きたくて行きたくて。
公開したらすぐ行くつもりだったのだけど、旦那も見たいというので、延ばし延ばしにしてたら最終週。
旦那に「わりーけど一人で見に行くから!」と若干キレ気味になり、やっと見た
(ちなみに見にいけなかったのは旦那が仕事が忙しくて、週末廃人と化してたからなので、奴が悪いわけじゃないんだけど)

結局は本番を迎えられなかったコンサートの舞台裏。完成版ではない。でも、奇しくも「本番直前」だったマイケルの死。発展途上でありながらも、ほぼ完成に近い、そしてもしかしたら本番以上の密な「ステージ」があった。
マイケルだけではなく、舞台を作り上げるスタッフ、ダンサー、コーラス、バンド。色んな人たちのプロフェッショナルな姿も楽しめる。
そして何より、10年も表舞台から遠ざかっていたはずのマイケル本人が、誰よりもすばらしい。踊りのキレも、厳しいオーディションを勝ち抜いてきた若いダンサーの誰よりも秀でているし、あの歌声も健在。それは天から授かった才能とやらでなく、本人の努力とケアのなせる技というのが見ているだけで分かった。だけれど、穏やかな優しい風情からは何のおごりも過剰な自信も、邪悪なものはまったくなかった。この人がすごいのはこういうとこ。

確か中学くらいの時にモータウンを聞いて、それこそテープがのびてテンポがおかしくなるまで聞いた。マイケルの高音部は割れて、聞き取りにくくなってた。CDで買いなおしたけれど、ときどきあのテープを聞き直したくなる。
マイケルはもちろん、シュープリームススモーキー・ロビンソン。大好きだった。音楽は楽しい、聞いていて心が浮き立つ、イントロが流れてきただけで踊りだしたくなるようなあれ。
この映画を見て、ほとんどの人から「Black or White」のギターリフがかっこいいという感想だった。でも、私は、「I wantyou back」と「The Love You Save」のイントロとリフで鳥肌が立ってしまった。そのくらい、私にはジャクソン5時代の曲は宝物のようだったのだと思いだした。

マイケルはずっと変わらなかったんだな、と思った。この人は楽しかったり、幸せだったり、聞いてて子供みたいに無防備に笑えるものを求めて体現してた。

先日、美容院に行ったときに、まだ見習いっぽい男の子にトリートメントしてもらってて、そしたらその子が「THIS IS IT」見たんですよ〜良かった〜と言っていた。彼は先輩の美容師(私の担当で同年代の女性)に薦められて見たらしく「マイケルっていうと、僕は整形してる変な人ってイメージしかなかったんですけど、すごい人だったんですねー」と言っていた。彼は多分二十歳くらいか?そーだよね、彼が知ってる90年代以降、マイケルはあんまり出てきてない。スリラーの時なんか、生まれてもいなかったでしょう。でも、そういう人がこのフィルムを見ただけで「すげーな」って思っちゃう。マイケルもすごいけど、この映画も良かった。

これから、もっとMJを知らない人が多くなる。でも、彼の歌を聴いて、「いいね!」って思ってくれたらいいな。