je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

木澤雅博コレクションVol.2「33 1/3 r.p.m」@グリソムギャング

水橋研二さんがトークショーゲストということで、お誘い頂き行ってみました。
まずはデビュー作にして主演作の「33 1/3 r.p.m」の上映。’70年代の学生運動に足をつっこんでいる(でも学生じゃなく大検浪人生)人生にちょっと悩む青年というか少年役。今でも少年のような妖精のような雰囲気で、年齢性別不詳な見た目の水橋君ですが、撮影時はまだ18歳くらいの未成年・・・。お肌がプリプリです!毛穴が見えないきめ細かい肌。きっとメイクもしてない。ほっぺたぷくぷくで、ちょっと長髪なので、顔だけ見たら女の子です(実際監督も初めて会った時に女の子かと思ったらしい)。
映画は前にも見た事あって、その時はレトロな雰囲気な話だなーとくらいしか思わなかったのだけど、結構ディティルがこっている。監督さんは懐かしおもちゃなどのコレクターでありお店もやっているそうなので、その辺が自然。こういう微妙な時代物をやる時の不自然さがない。衣装とか、小道具とか。でも、後のトークショーで言っていたのだけど、女性がコンビニ袋を持っているシーンについて「この頃コンビニはないから、本当は買い物かごなんだけど、演技つけるのに夢中になって気がつかなかった」とのこと。監督業とすべてのチェックがたいへんそう。
ちょうど撮影時の’90年代の高円寺は、まだ古い町並みがあって撮影場所にも困らなかったんだそうだ。水橋君が質屋に行くシーンなんかは、看板が古いままで質草が「ステレオ」「レコード」とか。今は結構変わってしまって、もう違うんだよねーとのこと。他にもタクシーは実はレトロカーにシール張ったお手製だとか、いろいろ撮影秘話が面白かった。リメイクも計画しているそうで、もっとこの時代をほりさげたいとのこと。
水橋君のトークは前よりはよくしゃべるなーと思いましたが、マイクがないので、最初ちょっと聞きづらかった。相変わらずシャイなのね?と思っていたら、何故か「漫画」の話と「ペットの鳥とハムスター」の話にめちゃめちゃ食いついて、そこだけ声も大きい。
漫画の話は、役作りの話をしていた時に「水橋君は天才肌」と監督が褒めて、司会のお姉さんが「北島マヤのような・・・」というGJ!なたとえを出したら、何故か水橋君が食いつき「そういえば『ガラスの仮面』ってまだ終わってないですよね!あれって◯◯に行ってどうしたんでしたっけ!?」と客にまで聞いて興奮。お姉さんが「少女漫画なんて読むんですね」とさらにつっこんでたら「いや・・・それはあのう・・・」とモゴモゴしておりました(思うに昔の彼女のを読んだとかそういう系かと)。んでごまかすかのように「長いといえば『幽遊白書』は突然終わってね〜(と作品の最終回について細かく説明)」「『ハンター×ハンター』はなかなか出ないんですよ〜」とか、映画に関係ない話を満面の笑みで。漫画好きなのね。
そしてペットの話では「ハムスターを手のひらに乗せてひっくり返してやるとかわいいんですよ〜これがもう〜」とまたまた映画に関係ない話を満面の笑みで。
こんなに話す人だったっけ〜、お酒でも飲んでるのと思うくらい。お客さんとも距離が近くてアットホームな雰囲気だったからかな。
かと思うと仕事の話ではプロフェッショナル〜というような発言が多く、素敵でした。事前に集めた質問の中で「今後どんな役をやりたいですか」というので「それよく聞かれるんですけど、僕はありません。というのもお仕事を頂いてるという立場で、やりたいなんて希望を出すことがおこがましい(キラッ)」(←発言はだいたいの内容です)というもので、くう〜!その辺の役者もどきのタレントに拡声器で聞かせてやりたいわ!
あと監督に「仕事で嫌な事とかある?」って聞かれて「ありますけど、僕は気にしないんです。仕事は仕事って割り切ってるんで(キラッ)」とまたまた役者を超えて男前&大人な発言。目から鱗でしたわ。ほんと、拍手したいくらいでした。情熱大陸とかソロモン流とか出ればいい。
あと、「自分の声が嫌い。初めて録音して聞いたとき、テープを投げ捨てたくなった」「今でも声は嫌いだけど、それがいいって言ってくれる人がいるので慣れました」「演技するのは恥ずかしい。今でも演技したすぐ後に恥ずかしくなる。でも周りのスタッフが自分が演技するために色んな準備をして雰囲気を作ってくれていると思うから、演技している最中は恥ずかしくない」(←ここも男前ポイント)などなど話してて、久々の水橋君は役者としても男としても輝いてました・・・。素敵だ〜。
そうそう、髪型はしばらく変えないそうです。お客さんに「似合ってます?」って聞いてたくらいだし。内側は刈り込んであるそうなので、戦争ものなどでは帽子をかぶって坊主頭風にもなるそうな。