je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

『ゲルマニウムの夜』@一角座(トークショーつき)

GW真っ只中。お天気もたいへんよろしい上野にて、映画鑑賞。
久々の上野公園、あー緑がまぶしー。一角座はけっこう離れたとこにあるのですが、そこまでの道のりが、お散歩コースになっていいかも。
一角座はもっとプレハブなペコペコな感じを想像してたのですが、シンプルながらもちゃんとしてる。天井高いから見やすいし。難はちょっと椅子の立てつけが…。同じ列の男性が落ち着きのない人だったのか、その人が動くたびにギシギシと。ちょうど上映前に友人と、「映画や芝居鑑賞中のマナーの悪い人々」について熱く語っていたのですが、まさかこういうマイナーな映画館でそういう初心者な輩はいないだろう、と思っていたら、そういう落とし穴も。
さて、内容ですが、二回目なのでのんびり構えず見ました。今回は意識してなかったから、あんまり宗教的なこと考えずに見たかも。朧の想像や回想のインサートとかうまいなー、とか。映像の美しさに目が行った。
そういや、その人(落ち着きのない人)が石橋蓮司さんの出演シーンで爆笑するので、なんかあるんかいと思ってしまう。確かに一番おとぼけな役だけれども。そんな自分は、大森南朋さんがボコられるとこで密かに笑ってまう。だって、ほんといじめがいのある顔なんだもんよー。そして新井君のキックが美しく、スパーンと入るもんなあ。
新井君、というより朧なのかな、不思議な存在だなと思う。きたないとことにいても、きれいだ。飾ったきれいさや、手を加えたきれいさじゃなくて。何も持っていないし、持たないし、欲望もないのに。持っている人間よりも恵まれていて、生命力に満ち溢れている。若さだけではない。経験すらも、彼にはなんの影響も与えない。でも、朧だけじゃないんだと思う。私たちだって、状況が変わっても動じずにいられれば、あの存在だけの美しさは保てるはずだ。
やっぱり主役だからか、朧のシーンが印象的。私はどうも、登場人物がひとりでいるシーンが好きらしい。ひとりで部屋のベッドに寝転ぶ朧が一番涼やかな顔だったように思う。ああいう顔は、ひとりの時にしかしない。あと、テレジアに膝枕してもらう時の朧とか。図体のでかい男が甘えるのは、結構見た目的にも微妙な部分があるが、なかなかきれいなシーン。私ならジュニアにしてほしいなー(妄想)。
そういえば、後でみんなで感想言い合ってた時に、ラストの方の「うろたえる朧」っていうのが素っぽくてよかったねー、ていうのがあった。やっぱ、思いがけない反応っていうのはグッと来るんですかね。
パンフの新井君の木下藤吉郎のようなええ話は必読。あのルックスでそういうことするから、定価5割増な感じなのよねえ。
トークショーは、大森立嗣監督と南朋兄弟、そして新井浩文くん。兄弟は照れがあるのか、なかなか話弾まず。話し出したかと思えば、かなり内輪ノリ。あれは仕方ないよねー。兄弟って仲悪くても、変に分かっちゃってる部分がありすぎるから。本当はお父さんの麿さんを交えた親子対談だったらしいのですが、それはそれで見てみたかった。
トークショーの内容は、南朋さんが言っちゃダメと言っていたので書けませんが、大森兄弟のお母さんが「南朋サンがボコられるシーンを見て、怒って帰ってしまった」とか、「立嗣さんに『弟をあんな役にするなんて!』と怒った」とか、「(演技なのに)ボコった新井君をつねった」とか、「麿さんも南朋さんも、出演シーンは違うのに、2人とも監督に指示されていない顔芸(父)とか小芝居(次男)をして、監督(長男)に注意された」とか、結構大森ファミリー的なお話が聞けてようございました。
夜は上野の韓国料理「古家(こが)」にて呑み。マッコリをすすりながら、チゲ鍋をあさる。キムチがマイルドな辛さなので、食べやすい。