je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「銀河鉄道の夜」山の手事情社@東京芸術劇場小ホール(2005/06/04 夜)

なんも前知識なく鑑賞。でも、なかなか、というかかなりアタリでした。Kai嬢、こちらこそアリガトー。いい景色見ました。
舞台装置が美しい。始まる前、赤いライトが胎動のように光の強さを変える。じわじわと、でもあっという間に世界に引き込む力は圧巻。衣装もかーわーいーい。バンドとか、音楽好きな人には楽しいかも。
そしてそして、宮沢賢治はやっぱかっこえーね!言葉が美しいの。
芝居の構成もうまく、言葉がうまいこと浮き立つ。独特の話し方、独特の動き、でも割とすぐに慣れてしまうのは、きっと基礎ができてる人たちなんだなと。
しっかし、ザネリはむーかーつーくー!人の恋路を邪魔すんじゃないよ。ていうか、恋じゃないけど。んにゃ、やっぱある意味、あれは恋ですよ(と一人で私は何を言っているんだ)。ジョバンニ&カムパネルラの、最後の道行きのお話なんだなあ。ああ、そして、やっぱり理解は愛とは無縁のものなのか…と少し無力感を感じました。それはそれで、純粋だったりするかな。同じ景色見てるからって、同じようには思わないけど、同じものを見てはいるのだからね。
いつも「銀河鉄道の夜」読んで思うんだけど、どうしてカムパネルラはジョバンニを「連れていかなかった」のかなと思うのですが、やっぱりそれは好きだったんだよね。じゃあ、ジョバンニの片思いじゃないんだよねえ。
連れて行くこと、だけが愛じゃないよね。連れて行かないから、愛だったりするし。みんなの幸いを望む事は、それができる人はやっぱりやるんだと思うのです。義務とか、責任とは別な方向で。せめて凡人のわたくしは、そんな方々を愛し、見守っていたひなあ・・・。
ああ、「グスコーブドリの伝記」もやってくれないかな。