je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「パッチギ!」@渋谷アミューズCQN

(注:ちょいネタバレあり!)
井筒和幸監督の最新作。いやもう、井筒さんに泣かされると思わなかった。
なんて純情、なんてハートフル、そしてバイオレンス!ケンカシーンは題名にたがわず、ものすごい迫力。いてーよ、いてーよう。でも、不思議と爽やかなの。それはやっぱ時代背景とかもあるかな。長ラン、ロンタイ、おばパーマ、GS、ヒッピー、マッシュルームカット。日本が元気で、悪ガキが悪ガキらしかった時代。ケンカはするけど、人殺しはしない。今となっては、夢みる頃の時代。

高岡蒼佑くんがめっちゃかっこええ〜。いやもう、主人公でしょ?と思ったのだけど、塩谷瞬くんの純情少年な演技は抑え目、控えめで、静かな愛情の戦いを繰り広げる主人公。高岡くん演ずるアンソンの激しい情動との対比によって、さらに生き生きとして見えてくる。最後には太陽と北風の太陽みたいに、いいとこ全部持っていきました。

話はシンプルで、「あ、多分こいつ死ぬな」と思ったらやっぱりだったし。泣かせどころも、べたべたなんだけど、まんまと泣いたわよう。Mちゃんには「泣くの早すぎ」って言われたし。いや、どこで泣き始めたのか覚えてません。葬式のシーンは泣きどころなんだけど、おじいちゃんの「なんも知らんくせに」がやっぱつらいのよ、私には。もうねえ、鷺沢さんの本で何度も何度も出てきた問題だったからさあ。(鷺沢さんの本では韓国という違いはあるにせよ)「いや、なんもしらんから、知りたいんだよ」って大声で言いたいのに言えない。その悶々とした中でくすぶって、それでもさあ、知ろうとしてた人もおるんよ・・・。「バカヤロー!愛してやるのに」とサーニン(C/「はみだしっ子」)のように叫びたくなるわけだよ。
・・・と思わせる映画なんだとしたら、井筒さん、アンタすげえよ・・・。

解決はしないのかもしんないけどさ、小さなことから、段々育てていく、それを信じていく。それしかないんだよねえ。