je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

「HOST TOWN -able2」

ドキュメント映画。ダヴリン郊外に住むダウン症のエイミーが主人公。前半はエイミーの家庭を中心に、後半は2003年にアイルランドで開催されたSpecial Olympicsのリポート。エイミーの住む町が、日本選手団のホスト・タウンになっている。
テーマが重いので、身構えて行ったが、ダヴリンののどかさと、エイミーの明るさ、家族の仲のよさ、エイミーの住む町の人々の障害者への理解など中心に描かれて、淡々とさっぱりした空気で見られた。もちろん、お父さんが昔アル中だったとか、貧しいのに12人きょうだいとか、お母さんの出産時の苦悩とか、いろいろ苦労はあったんだろうなと思わせるシーンもあったが、あまり執着せず進む。エイミーは割合軽度なんだろうか。よく見ているとそうかな?という感じ。普通学校に楽しそうに通って、妹とアイドルの曲に合わせて踊ったり、社会に出るためのトレーニングも悩みながら泣きながらも前向き。
私が心に残ったのはエイミーの妹・リンジー脳性麻痺で下半身が少し不自由。歩けるが、成長に合わせて、定期的に大きな手術をしなければならない。
「特別で良かったと思う時もあるけど、もし健康だったらいろんなことができるのにって悔しい」。”I wish I was・・・”で言葉がつまってしまった所は、なんか抱きしめてあげたくなった。エイミーは養護学校から普通学校へ編入したが、リンジーは普通学校に馴染めなくて、養護学校へ行った。養護学校が自分の「逃げ場」だという。でも、「逃げ場」で生き生きと笑うリンジーは可愛かった。知的障害がない分、悩んだりしてしまうのかもしれない。でも、エイミーも表現はしないけどリンジーと同じ気持ちなんじゃないかな、と思う。
意外だったのは、エイミーの聖体拝領。お父さんのナレーションで「10年前ならありえなかった」とのこと。教会ですら障害者を受け入れなかった時代が最近まであったのだ。
後半の日本選手団の受け入れは楽しく見られた。言葉が通じなくてもバンバン日本語でしゃべる。ホストも英語でしゃべりまくる。おかしかったのは、事前の説明会で「日本語風に発音すると通じます。Table Tennis はてーぶる・てにす」「こっちでOKっていう手のサインは日本ではお金っていう意味だからね」とか。もっと大事なことがあるのでは(笑)。
Special Olympicsは選手にとってももちろん、出場しない障害者やその家族にも励みになる。と同時に、お祭り騒ぎに乗じて町じゅうの人が楽しんで参加できる。ボランティアという雰囲気は全然しなかった。みんな、外国から来るお客さんにワクワクしていた。
大会ではシュワちゃんU2ネルソン・マンデラ、モハメッド・アリなどがゲストにやってきた。ボノの声にはうわ〜っとなった。相変わらず年取らないよねえ。そして、何故かコリン・ファレルが!ええ?!君ってそういうキャラじゃないじゃん(失礼)。ある意味イメージダウン(ヲイ)。アイルランド出身だったのね。子供と楽しそうに戯れておりました。
現在、エイミーは週1回、トレーニングセンターの受付の仕事をしている。リンジーは福祉関係の仕事につきたいんだそうだ。