je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

阿佐ヶ谷スパイダース「失われた時間を求めて」@ベニサンピット

ベニサンピットは、前に住んでいたとこの近くなのに、あまり縁がなく。行ったことはあるんだけど、もう覚えてない。地元なので褒めた方がいいんだろうけど、周りに本当に何もないので、出演者の人たちはご飯とかどうしてたんだろうな〜と変な心配をしてみたり。
ただ、今回の公演の内容には合う場所だったような気がする。シモキタとか渋谷のような、いつもねっとりした夏の午後の湿度と絶え間ないざわめきの多い街は、生々しい作品の方が似合う。今回の作品のシュールで時間軸や空間枠が曖昧なのは、森下みたいな本当に下町で人気がない雰囲気が合っていた。
なんとなく、ジャンルは違うけど、宮部みゆきの作品の雰囲気とか、萩尾望都の作品とか思い出した。宮部さんを思い出したのは、作品に江東区舞台のが多いからだけど、彼女の作品はミステリ以外に時間軸がぶれる不思議な作品も多い。萩尾さんは、「百億の昼と千億の夜」を思い出した。あれはSFだけど、やはり時間が進むのではなく、同時に存在していて、世界は転輪王に動かされている・・・というシチュエーションが思い出された。萩尾さんだと、「銀の三角」とかも時間軸ものだけど、精神的な要素が大きいのは「百億の・・・」が近いかな。
なので、結構こういうテイスト好きかも。でも、会場がめちゃ寒くて、冬山状態な感じで眠気が・・・。長塚君のブログにもあったけど、寝てしまって荷物を落とす人多数。静かな作品なので、ドスン、ゴン、という音が目立った。でも、作品がまったりしてて寝た人が多いのじゃなくて、寒かったからじゃないかと思う。
終わってから皆で「今回は誰も殺されなかったねー」と、妙なコメント。血もなかったし。かといって、長塚君に肉体的な残虐性とかエキセントリックな面が大きいかというと、そうでもないんだな、と今回気付いた。今までの作品も、相手を追い詰めたり、自分を突き詰めていったが故の殺人であったり事件であったりだから、精神的なものは変わってないし、手法が違えどセリフは同じだったりする。優しくなったわけでも弱くなったわけでもなく、向かう先(矛先?)がより自分になってきているのかなあ。
にゃかやまさんがかあいかったー。どっちかというと伊達君好きなのですが、さすがに今回はズキュンときたよー。猫好きにはたまらんキャラでした。
伊達君は、最近とみに大人な雰囲気が出てきたなあ。見た目少年なのだけど、おさえの感じが板についてきた。阿佐スパ飛び道具は、実はにゃかやまだという罠。
奥菜さんはほんま可愛い。そして、以前よりも技術的な面もしっかりしてきたし、今回は稽古をしっかりやったという感じがあり。色んなものを吸収している時の役者の瑞々しさがある。それに、長塚君があまり女性をひどくに扱っていないというのも面白い。追い詰めてはいるのだけど、追い詰めて「オラオラ〜」しつつ結果放置じゃなくて、一緒につきつめて行こうという感じ。
夜は新大久保の中華料理。エビマヨうまかったです。