je suis dans la vie

ライブとか映画とか芝居とか。ネタバレ有り〼。

絵本工房vol.4「太陽のらくがき」@六本木アトリエフォンテーヌ

この日は久々の井上真鳳さんのユニット・絵本工房の公演に行きました。

「太陽のらくがき」
ー山を越えるとそこは海ー  
生まれ育った小さな町で  ペンキ屋をはじめた青年が
たくさんの願いを叶えるうちに ふと出会った懐かしい記憶

想い・言葉・夢の連鎖… 
塗りかさねた色の下から  いま見えてきたもの。

大好きな町で、家族と離れてひとり、ペンキ屋を営む青年。職人気質の親方に仕込まれ、丁寧で心のこもった仕事をしていた。しかし独立し、自信がついたころ、大きな仕事が舞い込む。その仕事は「速くて安い」がモットーの悪徳業者。その詐欺まがいの仕事が露見し、業者は訴えられ、「大きい仕事」もなくなった。青年は、「信用」を失い、昔からの顧客に見放されていたことに気づく。
しかし、それでも支えてくれる人、自分の昔の仕事を覚えてくれていた人、変わらない親方、新しいお客さん。少しずつ触れ合いながら、自分の道をもう一度見つけていく。
井上さんのお芝居はひとりということもあってか、実はいつもさみしい気持ちになります。井上さんはいくつもの人を演じわけているけれど、軸はいつも一人の主人公。その気持ちに寄り添いながら、迷い、苦しみ、見つけていくという流れは、見ている側にも、生きているという事はひとりの作業なのだと気づかされてしまうからかも。
たくさんの悪意や、たくさんの善意、そして思いやりや愛情に触れながらも、それを感じ選び取って行くのは自分ひとりだけ・・・。いつも何かに気づかされたり、自分の状況に照らし合わせることができるのは、井上さんが等身大で、人のそのままの姿を見せているから。井上さんのお芝居は、とても優しいけれど、いつもとてもさみしい。そこがよい。
今回も、いつもの絵本工房の流れを継いでいますが、もっとシンプルに、客観的になっていた分、見やすかったように思います。役の切り替わりのタイミングと仕方、キャラクターの配分などもちょうどいい感じ。音楽も一層息が合ってきて、イメージどおり。台詞の長さや内容も、無駄がない感じ。今回はペンキ屋さんということで、動きがいろいろ変わって、マイムも面白かった。
スタッフの方々もいつも丁寧な対応で、いい気分で鑑賞できました。
ところで、「一人芝居」「パントマイム」というと、ガラスの仮面を思い出す私・・・。マヤが学校の学園祭で体育倉庫?で一人芝居やる話とか、パントマイムといえば亜弓さまのジュリエットよね。あれは実際に見てみたいです。余談ですが。