あらすじ 美沙子(つぐみ)は雨の日、鍵をなくしてしまう。 携帯の電源も切れ、街をブラブラ歩いたり、さま ざまな悩みを持った人たちに出会う。別れた彼、 良介(大森南朋)に鍵を預けたままだったことを 思い出した美沙子は、思いきって電話をし、家の 前まで行くのだが、どうしてもインターホンが押 せなかった。美沙子は鍵だけでなく、押さえてい た気持ちを探しながら、夜の街をさまよった。
CMプランナーとしても活躍中の山田英治監督、初劇場公開映画。大森くんとは自主制作時代からのタッグで、息もぴったり。割と素の状態の大森くんな感じのキャラ。女の子の扱いがソフトで、気を使うんだけどちょっとずれてて、でも憎めない感じの、フツーの男性。子供を抱き上げるとことか、モジモジするとことか、彼女におちゃらけるとことか、照れて目を合わせないとことか、大森ファン必見ですよ〜!特に、子供にご本を読んであげるとこが、とってもいい。こんなお父さんいいな。子役の子もなんか大森くんに雰囲気が似てて、ぷっくりしてて。大森くんの足に抱きついてるシーンとか、微笑ましかったなあ。
山田監督は、「普通の瞬間」を切り取るのがうまいな、と思う。自主制作映画の時も思ったが、人がひとりでいる時の「主観」の描き方がうまい。ひとりごと、一人で歩く道、一人で見る景色、妄想。すれ違う人、関わる人、こちらから見ているけれどあちらからは気付いていない関係。つぐみちゃん演じる美沙子の気持ちに寄り添いやすい。
美沙子の妄想シーンとか、アニメの挿入とか、非現実的な部分もうまくエンターテイメントにしてて、よい。美沙子の妄想シーンでは、光石研さんがまたもやいい味出して、持っていってます。この辺の話は、山田監督の経験が反映されてるのかな。「迷猫」「春眠り世田谷」「ゴールデンウイークエンド」といった作品でもあるように、男女の仲、結婚、夫婦、子供のこと、そういったテーマを「?」を交えつつ、優しい想いでくるんでいる。
(私信)kai嬢、MAGUMI出てるよ!歌ってるよ!