je suis dans la vie

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渡辺美里・西武ドームライブ V19

美里ちゃんには19回目、私には18回目の西武球場。一年に一度だけのお祭り、お楽しみ。これがあるから生きててヨカッタと想う。
う〜ん、やっぱ、よい、めっちゃ良かった!美里ちゃんに関しては、あまりにも好きすぎて、客観的な意見がいえないけれど、去年に引き続き、今年は近年の西武ライブではかなりの良いできではないだろうか。ニューアルバム「Blue Butterfly」がかなり良かったせいか、懐かしい名曲と新作とのバランスが絶妙な感じになっていた。一時期、懐かしい曲ではのるけど、新曲ではあまりという雰囲気もあったりしたが、今回は美里にとってスタンダードになりそうな予感の新曲が多いなと実感。ということで、美里ちゃんの新作、聞いてな〜いというファンの方はぜひぜひ買って下さいませ。
ライブは「虹を見たかい」でスタート!岡村ちゃん作の名曲。やっぱ、美里作詞、岡村作曲にはほんとう名曲多し。と思っていたら、2曲目は「BIG WAVEやってきた」と黄金コンビの名曲連発。のっけからパワフル美里節。続けて「夏が来た!」「10years」と惜し気もなく名曲連発。大人になったけど、いつまでもティーンエイジャーのようなまっすぐな純粋なパワー、これだけは変わらない。
ゲストの木根尚登氏を迎えての「eyes」と「さくらの花の咲く頃に」はしっとりと、アコースティックな優しい音遣い。佐橋君がツアーに参加しなくなってから、この辺の音が薄くなっていたのでさみしかったのだが、去年のコブクロに引き続き、今年は木根さんの優しいギターとコーラスが美里の音に重なる。
木根さんとのトークでは、美里ちゃんの天然ぶり発揮。「木根さんは西武のライブに7割方来てるんですよね〜。TKさんも節目にはいつも来てくれるし。でも、なんでもう一人の人(ウツ)は来ないのよ?」と木根さんに子供のようにすねてみる。「まあまあ」と木根さんが話を変えようとしても「ウツはライブ来ないくせにEpicのライブで久しぶりに会った時に、セクハラまがいの事を言ったんですよ!しかも葛城Gに言って、私に直接言わないの〜。」と暴露しまくり。昨年のゲスト・千里さんとのトークの時もだけど、ソニーの兄貴連中には美里ちゃん、すごく甘えて子供みたいになる。ほんと、昔から可愛がられていたんだろうなあ。「でもね〜木根さんの曲はウツが『この曲いいなあ、僕歌いたい』って言っても『だめ、これは美里のだから』って言ったんだよね〜」って、オチはそこか。木根兄貴の「eyes」制作秘話もあって、この曲は3、4回書き直したんだそう。Bメロができず、プロデューサーにダメだしをくらいまくったらしい。ひえ〜、すごい。木根さんにとっても初めての楽曲提供だったとのこと。木根さんのTK物まねや、色々と盛り上がりトークがあった後、美里ちゃんは「はじけすぎました・・・反省してます」とちょっと照れ気味。それでいいのだ〜、そこがいいのだ〜♪と親バカならぬファンバカな私。
後半は「Blue Butterfly」からの曲。「ミッドナイト・パフェ」「Blue Butterfly」「amagumo」などなど、ほとんどの曲をやった。まだそんなに聞き込んでいないのだが、それでもかなりのフレーズを覚えていたので、楽しめた。基本的に詞は美里自身のものが多いけど、コブクロの楽曲提供以来、他の人の詞も自分のものにする力が強くなった。この人はやはり「うたうたい」なんだと感じる。どんなジャンルでもしなやかに取り込んで。特にここ最近の柔軟な音への取り組みには目を見張る。一時期、おそらくEpicの経営が上手くいってなかった事もあるのだろうが、美里自身ももがいてるような感じが作品やライブで見受けられた。それはそれで、迷ってる感じもまた味としてありなんだとは思うけれど、私は渡辺美里ちゃんが大好きなので、結構つらかった。つらいならやめてもいいとさえ思った事もあった。ただ、基本的にこの人は「信じる道をひたすらまっすぐに歩いている」ので、迷っていてもいつか向かうべきところへ行くとは信じていた。今、多分、そのまっすぐな道が広く大きく開かれ始めたのだと思う。幸せそうに歌う姿はやはり一番の贈り物。でも、ファンの事なんか考えず、もう好きな道をガンガン行ってほしい。
ゲストのスティーヴエトウ氏のドラム缶を使ったパーカッション・パフォーマンス、DJ DRAGONの「My Revolution」トランスバージョンと、ちょっと大きなクラブイベントに来たような感じで、遊び心満載。美里ちゃんも久々にダンサーとかっちょいいダンス。
新作からの「smile」を筆頭に、「あなたのすきな歌」「マイセルフ」など、今回は隠れた名曲で、深い広い愛がテーマだったように思う。たぶん、美里の出したピースサインが象徴するように、いろいろ世界で日本で起こる悲惨な出来事に、アーティストとしてどうアプローチするか、というのはずっと考えていたんじゃないだろうか。それを直截的にではなく、「きみにあえて」のように優しさという強さで太陽のように凍った心を溶かしたい、歌いたい、そんな美里のまっすぐな思いが伝わった。昔言っていたのだが「私は屈折してて、曲がって曲がって、ぐるぐるになってまっすぐになってる」っていう言葉にあるように、この人の心は単純に真直ぐなわけではない。でもそれでも直球ど真ん中で勝負する投手のような潔さは他の追随を許さない。「スタジアム歌手の渡辺美里です」というシンプルな自己紹介は、20周年を迎えて、揺るぎない自信と等身大で生きる人間の美しさに溢れていた。いい歌手はいっぱいいるけど、半端じゃないんだよ、美里ちゃんは。ロックスターで、アイドルで、アーティストで、歌手。
最後にスクリーンに出た「V20 NO SIDE」の文字。美里自身も「来年でひとくぎりにします」と宣言されたし、来年で西武ライブは終わるらしい。かなり寂しいが、それだけ色々つきぬけたんではないかと思う。夏のイベントが無くなるが、これからの活動がもっと深く広くなることを感じさせたライブだった。
18回一緒に行ってくれる友人とも、しみじみと「良かった」をくり返した。二人ともV1は逃してるのだが、その時は私達は会っていない。その次の春に出会い、その夏からずっと一緒に行っている。美里がいなかったら続かなかった友情だと思う。「俺の80%は岡村靖幸でできている」とは後輩のB君の名言だが、私の120%は美里でできている。美里で光合成をして育ってきた。だから来年も西武ドーム、会いにいきます。そして、また「会いたかったよー」って言ってほしい。笑顔と涙で、今度は何色に染まるだろう。